< アメリカ・テキサス州 > タイラーさん(仮名)・アメリカ人男性30代

北アメリカの南部に位置する「テキサス州」。すぐお隣はメキシコである。タイラー(仮名)いわく、テキサス州にはミステリアスなスポットや伝説が多くあるという。

 

アメリカ人に「不思議な経験したことあるかい?」と聞くと他のどの州よりもテキサス州に住むアメリカ人が最も高い確率でイエスと返してくれる。ヒスパニックカルチャーはこの手の話が豊富なのだという。

 

激しいノックの主は…

タイラーは現在教師をしている。不思議な体験は彼が14歳のころに遡る。当時の彼の家庭は貧しい状況だった。家族で借家に住み、大抵は退屈で面白くもない日々だったと語っている。

 

ある日の夜、彼は借家にひとりで留守番していた。他の家族は何らかの理由で出掛けていたそうだ(なぜひとりで留守番となっていたのかは覚えていないらしい)。

 

退屈な夜、少年はただテレビを観ていた。

 

タイラーは廊下側のドアを開けっ放しにしたまま居間でテレビを眺めていた。廊下の先には玄関が見える。玄関には玄関窓がいくつかある。玄関窓から外を見るとすっかり夜も更けてしまっていた。その日の天気は曇りだったので(月の明かりなどが無く)外の様子は暗くてあまり見えなかったそうだ。

 

そして真夜中、まったくの突然にそれは起こった。

 

ドンドンドン! ドンドンドン!

 

「玄関のドアをを強くノックする音が何度か聞こえた」

(原文:I heard some really strong knocking on the door.)

 

その叩き方についてタイラーは、まるで怒っているかもしくは精神が不安定な状態を感じさせたと語っている。月の見えない深夜、玄関窓から見ても外の様子はわからない。家にはタイラー少年ただひとりという状況である。ノックは続いている。

 

僕はこの状況に恐怖した、とタイラーは語る。

 

「一体どんな理由で深夜にこんなに激しくドアをノックするやつがいるっていうんだ。どうしたらいいのか本当にわからなかった」

 

そのままでいると、一旦はノックが止む。そして少し間をおき、今度はさらに強い力を込めてノックが始まったという。

 

少年は恐怖したまま、深夜に激しく叩かれる玄関ドアをただ見ていた。どうにも動けずにいると、自分のすぐ横で青白いものがフワーと動くのが見えた。

 

その青白い人影は”こちら側”から”玄関の方へ”歩いていくようなゆっくりとした速さだったらしい。髪はロングストレートで背中の真ん中あたりまで伸びており、ローブをまとっているということまで分かったと彼はいう。

 

タイラー少年は”彼女”を見た瞬間、恐怖ではなく安心感を覚えたらしい。ローブをまとった青白い人影は玄関の方へゆっくりと進んでいった。

 

ローブをまとった”彼女”が玄関ドアをすり抜けると、途端にノック音がピタリと止んだ。

 

タイラーは勇気を振り絞って廊下に出る。しかしそこには何の姿も、痕跡すらも残っていなかった。深夜の自宅の廊下にただ立ちつくすタイラー。静寂が身を包んだ。

 

そのうち母が帰ってきた。駆け寄ると同時にさっき起こった出来事を話す。

 

母いわく、「それはもしかすると、ガーディアンかもしれないわね。ガーディアン・エンジェルがドアを叩く何かから護ってくれたんだわ」

 

現在タイラーは30歳の教師。生徒の質問が多少とっぴであっても驚きはしないそうだ。

 

文=MASK校長

 

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