現役最後となるかもしれないシーズンで、全てのタイトルを狙うブッフォン。その気合が、新たな歴史を生み出すことに繋がったと言えよう。写真はPKを止めた直後。 (C) Getty Images

写真拡大

 現地時間8月19日に行なわれた開幕戦で、セリエAの歴史に新たな1ページが刻まれた。今シーズンから導入されたビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が、いきなり活用されたのだ。

 その瞬間が訪れたのは、アリアンツ・スタジアムで行なわれたユベントス対カリアリの前半37分。カリアリFWのドゥイエ・チョップがユーベDFのアレックス・サンドロに背後から倒された場面だ。
 
 当初、ファビオ・マレスカ主審はプレーを流したが、直後にVARの採用を決断。ピッチサイドのモニターを確認したうえで、カリアリにPKを与えた。
 
 先制点を許して苦しい立場にあったカリアリだけに、VARがなかった昨シーズンまでであれば、PKを得られずに抗議していたことが容易に想像できる。王者ユーベが相手なだけに、メディアでの論争も避けられなかっただろう。まさに、イタリア・サッカーの歴史が変わった一瞬だった。
 
 ただ、カリアリはその“恵み”を活かすことができなかった。PKを決められなかったからだ。ブラジル人FWのジエゴ・ファリアスのPKは、ユーベ守護神ジャンルイジ・ブッフォンに阻まれた。
 
 39歳のブッフォンは、チャンピオンズ・リーグで優勝した場合を除き、今シーズン限りで引退する意向を明かしている。現役最後となるかもしれないシーズンの開幕戦で、「初のVARによるPKを止めた守護神」となった彼は、また新たな伝説を作ったのである。
 
 失点の危機を回避したユーベはその後、2ゴールを加えて3-0と快勝。特別なシーズンで上々のスタートを切り、ブッフォンはインスタグラムで喜びと意気込みを表わした。
 
「7連覇に向けての気迫がある。過去を忘れ、今を最大限に生きる意欲がある。多くの新たな仲間たちがいる。そして、恐れを抱かずに受け止めるべき、新たなテクノロジーもある。良いスタートが必要だった。それを実現した。このまま前進だ!」
 
 一方、マッシミリアーノ・アッレグリ監督はイタリア『スカイ・スポーツ』のインタビューで、「ブッフォンがいて良かったよ。彼は今でもまだベストだ」とブッフォンを称賛。また、最終判定までに約1分半を要したVARについては、「慣れなければいけない」と述べている。
 
「(判定が下るまでの時間を)バスケットボールのタイムアウトのように、指示を出すために活かさなければいけないね」