『大学時代の宇良』

「信じられないです。もう、ちょっと(言葉が)出てこないです……」

 宇良(25)が泣いた。初金星を挙げてのインタビュー。テレビカメラの前で、こみ上げてくる涙を堪えることができなかった。

 宇良は4歳から相撲を始めたが、常に体の小ささというハンディと戦いつづけてきた。高校入学時の身長は150センチと少し。

「高校生なのに小学生に負けていた。他校との試合で、『お前はトレーニングでもしてろ』と稽古場から追い出され、泣きべそをかいていた」(同校OB)

 それでも諦めなかった。

「どこを鍛えれば強くなれるか、自分で考えていた。高3の夏ぐらいから一気に強くなった印象があります。女性にモテた? 今じゃ人気がすごいですが、当時は色恋の話は聞かなかったですね(笑)。宇良さん自身、女性より相撲に熱中してましたから」(高校の相撲部の後輩・青山将志さん)

 大学2年まで65キロ以下だった体重は、卒業前には100キロ超までに成長。

「白飯は毎日5合半。卵などタンパク質を多く摂って筋トレに励んでいた。いつも大きなおにぎりを持ち歩いていました」(関西学院大学OB)

 宇良の最大の特徴はレスリングをベースにした動きだが、そのレスリングを始めたのも体の小ささからだった。

「相撲で勝てないなら体重別のレスリングで勝つ喜びを教えたい、とお母さんがすすめたそうです」(相撲記者)

「レスリングは小学生の全国大会で2位、3位の常連。めちゃくちゃ真面目で練習熱心な人でした」(レスリングクラブの後輩・中村弦斗さん)

 日馬富士を倒した「とったり」も、レスリングの動きの応用だ。

 2年前、入門時の体重は107キロ。ひたすら体を大きくすることに励み、今は174センチ137キロ。もはや小兵ではない。

「今場所もアクロバティックな動きが話題になったが、本人が目指すのはあくまで正統派。とにかく前に出る力をつけたい。じつは、勝ったときの決まり手でいちばん多いのが『押し出し』、次に『寄り切り』で、相手が警戒して出てこないと見るや、一気に押し出してしまう。前に出る力があるからこそ、あの独特の動きが効くことを本人がいちばんわかっている」(相撲記者)

「技の魔術師」は来場所も金星を挙げられるか。

(週刊FLASH 2017年8月8日号)