末端ヤクザの悲しすぎる現実「逮捕状が出たら破門…」

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’08年の暴対法施行、さらには’11年に暴排条例が全国で施行されて以降、暴力団の居場所はどんどんと狭くなっている。この情勢に応じて一般人がヤクザを脅すというかつてなら考えられないような事態が起きているようだ。

◆ヤクザにとって素人との揉め事はもはや死活問題

 業界最大手の山口組は、大正期の創立以来100年の歴史を刻む。近代ヤクザが発祥して以来、こんなにもカタギからナメられ、食い物にされる時代が来るとは、先人は想像もしていなかっただろう。関西で活動する神戸山口組系組織の幹部である坂下直樹さん(仮名・62歳)は自嘲気味に語る。

「’08年の暴対法改正が大きな転機。ヤクザ組織の末端組員がシノギをかけた結果として損害を受けたカタギは、加害組織のトップまでさかのぼって賠償責任を追及できるようになってしまった」

 これを受けて当時の山口組本家は、傘下組織に「犯罪行為をやって逮捕状が出た組員は破門する」という旨の通達を出したという。

「悪いことをやるヤクザは、ヤクザをやめろと本家は言うワケだ。『本家は末端に死ねと言うのか』と、誰もが怒っていた。でもよ、自分の直接の親分が、『お前ら子分が悪さしてパクられたら、俺が本家で執行部に土下座しなきゃいけない』なんてツラそうに言うのを聞いたら、もう逆らえないよ」

 刑事では懲役を恐れず、民事では、ない袖は振れないと突っぱねるのが彼らの最大の強みだった。トップを人質に取られたヤクザが、すごみを失うのは当然だろう。

― 素人にハメられる[ヤクザの悲劇] ―