「上海救急」と書かれた救急車

写真拡大

 米アップルやソフトバンクグループも出資する、中国版Uberの配車アプリ最大手「滴滴出行」は、利用した女性がドライバーに殺害されるなどトラブルも少なくないが、先日は、浙江省杭州市で珍事が起きた。

「澎湃新聞」(8月8日付)によると7日、男性が杭州東駅から上海市へ向かうため、「滴滴順風車」でクルマを手配した。アプリ上で確認したところ、車種は起亜自動車のものだった。ところが、実際にやってきたクルマを見て、男性は驚いた。なんとそれは救急車だったのだ。車体には「上海救急」「120」といった文字が書かれている。いいぶかしみつつ男性が救急車に乗り込むと、車内には担架はあるものの、医療機器はなく、広々としていた。

 男性は、すぐさまこの珍事を中国版Twitter「微博」に投稿。すると、「あの担架の上では、毎月たくさんの人が死んでいるはず」「次は霊柩車が来るんじゃないの?」といった反応のほか、「サイレンを鳴らしてくれたら、渋滞でも無敵!」など3,500件以上のコメントが寄せられた。

 騒動を受け、上海市医療救急センターが声明を発表。この救急車は納車前の車両で、現時点では、改装を手がけた業者が所有しており、同センターは無関係であると釈明している。ナンバープレートもまだ正式には交付されておらず、物流会社が申請した臨時のものを付けていたという。つまり、物流会社のドライバーが納品で上海に向かう途中に客を乗せ、副収入を得ていたということのようだが、真相は定かでない。

 一方、ネット上の声には、「普通に救急車を呼んだら500元(約8,000円)は下らないから、急病の際にも、このアプリで呼んだほうが安い」と指摘するものもある。以前、本サイトでは、救急車を呼んだ重篤患者に対し、看護師が賄賂を要求するという事件をお伝えしたが(参照記事 http://www.cyzo.com/2017/03/post_31742.html)、救急車利用時のトラブルはタクシー同様に頻発している。近く中国では、安心安全に利用できる、救急車専用の配車アプリが開発されるかもしれない!?
(文=中山介石)