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最初のM5は1984年の登場。それまで4ドアのサルーンといえば速さとは少し縁遠い存在だったが、M5はサルーンにとてつもない速さをプラスした新しいセグメントを確立したクルマでもある。

新顔の登場が囁かれているM5、いま一度歴史の変遷を辿ってみよう。

■もくじ

ーBMW M535i(E12) 1979〜
ーBMW M5(E28) 1985〜
ーBMW M5(E34) 1989〜
ーBMW M5(E39) 1998〜
ーBMW M5(E60) 2004〜
ーBMW M5(F10) 2011〜
ーBMW M5(F10) 特別モデル
ーBMW M5(G30) 2017〜

BMW M535i(E12) 1979〜

コードネームE12の5シリーズは、1972年にローンチされた。BMWのモータースポーツ部門が1978年に作り上げた最初のロードカーはM1で、このM535iはそれから1年後の発売開始となった。1410台が作られた。

M535iは、現代のM5のようにハンドメイドではない。あくまで5シリーズのなかのグレードのひとつのような存在であった。しかしシッカリとモータースポーツ色が織り交ぜられている。

BMW M5(E28) 1985〜

E28の5シリーズは、1984年のパリ・モーターショーで発表されたが、M5は翌年のアムステルダム・モーターショーまでお預けであった。

M535iではBMW製3.5ℓのシングルオーバーヘッドカムシャフト、時折「ビッグ・シックス」と呼ばれるM30エンジンを搭載していた。

E28のM5では、M社製の3453cc、ツインカムのM88/3エンジンを迎え、290psを発生させ、最高速は243km/h、0-100km加速テストは6.5秒の記録を保持している。当時最速の4ドアサルーンであったのは言うまでもない。

M5のバッヂを取ってさえしまえば、518iと変わらない見た目。3倍のパワーがあるというのに……。この世代のM5は1988年までに2191台が製造され、また1988年にはM5の対米輸出も開始された。

BMW M5(E34) 1989〜

E34のデビューは1989年。サスやステアリング、ブレーキなどの専用設計パーツを先代よりも多く採用し、スポーティなドライビングを可能にした。

初期のE34 M5は3535ccで、319psを発生させるS38エンジンを搭載していたが、1992年からのモデルは3795ccに排気量が上がり、340psに進化した。

1992年、BMWはヨーロッパの市場へ向けM5ツーリングの販売を開始した。左ハンドル、3.8ℓエンジンのみの発売で、たった891台の販売とあまりウケなかった。

特別なエアダクトやマッシブなホイールアーチ、スポイラーさえ付いていない、「Qカー(イギリスで気取らない外観で中身はすごいモンスターを意味する単語)」。ずっと支持されるのはこの点が大きいと思う。

BMW M5(E39) 1998〜

3代目となるM5は俗にE39とよばれる。1998年にジュネーヴ・モーターショーでデビューを飾ってから、M5は再び4ドアサルーンのみの販売となった。

E34のM5ツーリングの失敗のせいだ。コンセプトカーは作られたが、ツーリングではなく、M5ベースの2ドアコンバーティブルであった。

E39になってからV8が積まれるようになった。S62エンジンユニットを使い、4941cc、400psまでアップデートしている。0-100km加速テストの記録は5.3秒、E34からはまるっと1秒速いタイムである。

ここでもまた、普通の5シリーズと比較した走行性能が語り草となる。ステアリングやマルチリンク式サス、ベンチレーテッド・ディスクブレーキなど、まさにハイパフォーマンスモデルである。

4本だしのマフラーがトレードマークになったのは、この型からだろう。ただし外観では他に主張するようなことはなく、あくまで控えめ。

BMW M5(E60) 2004〜

BMW M5(コンセプト)2004

4代目のM5がヴェールを脱いだのは2004年のこと。このクルマはコンセプトカーであったものの、アナウンスされていた通りのパフォーマンスを感じさせた。

BMW M5(E60)2004

コンセプトカーが世に出てから数か月、われわれはコードネームE60のM5を目の当たりにすることとなる。このモデルから通常とは違うボディパネルを採用し、普通のモデルよりワイドになっている。

E39でV8になったエンジンは、E60ではV10エンジンとなっている。最高出力は507ps、52.9kg-mのトルクを発生させ、このS85ユニットは0-100km加速テストを4.7秒でこなす。

このV10エンジンには7速のシーケンシャルミッションが組み合わさるが、不器用な変速にうんざりするかもしれない。アメリカにおいては、6速マニュアルを手に入れることができ、SMGに関してはオプションであった。

搭載されたV10エンジンはBMWのF1チームが使っていたV10をオマージュしたもの。レブリミットである8200rpmまで唸りまくり、加えてとんでもなく速かった。

これまでのM5同様、E60のコックピットだってノーマルの5シリーズと大差ない雰囲気。

BMW M5(E61)2007

E34での失敗を忘れてしまったのだろうか、BMWは再びワゴンタイプのM5の生産を開始した。

BMW M5(F10) 2011〜

BMW M5(コンセプト)2011

5代目M5となるコンセプトカーは2011年の上海モーターショーでお披露目されたが、公開された当初は「ツインターボV8搭載の7速SMG」ということだけ。胸が高鳴った。

BMW M5(F10)2011

量産型のM5は、2011年のフランクフルト・モーターショーで正式にデビューした。このモデルではワゴンタイプはラインナップされず、セダンのみ。新しいコードネームはF10となった。

パワーは先代よりも上がっている。4395ccのツインターボV8が発生させるのは561psで69.28kgとトルクを発生させる。それに7速のSMGが組み合わさっているが、アメリカでは6速マニュアルがオプションで選べた。

BMWはE60 M5での重量についての批判を真摯に受け止め、F10ではカーボンファイバー製の部品を使うなどして軽量化に努めたが、重量は1945kg。E60の1855kgよりも重くなってしまっている。

BMW M5(F10) 特別モデル

BMW M5パフォーマンスエディション(F10)2012

2012年、イギリス向けの30台限定で「パフォーマンスエディション」が出るとアナウンスされた。£22,075(310万円)分の装備が標準で付いてくる。運よく手に入れることができたひとは、レッド、ホワイト、ブルーからボディカラーを選べたが、氷の表面のようなペイントが特徴。メカ的にはスタンダードなものである。

BMW M5 Mコンペティション・パッケージ(F10)2013

2013年にマイナーチェンジを受け顔つきが少し変わった。またパワーは583psまで高められたが、サーキットのタイムは変わらず。

BMW M5 30Jahre(F10)2014

M5の生誕30周年(ドイツ語でJahre=ヤーレは歳を表す)を祝うモデルが2014年に販売された。パワーは599psに高められ、0-100km加速テストは3.9秒でこなす。300台が作られたが、30台がイギリス、30台がアメリカで売られた。

BMW M5コンペティション・エディション(F10)2016

2016年7月、BMWはさらなるM5のスペシャル・エディションを発表した。値段は£100,995(1419万円)で、200台が世界中で売られる(アメリカでは正式に販売はされない)。Mパフォーマンス・エディションは599psで、カラーはホワイトかブラックの2色から選べる。

BMW M5ピュアメタルシルバー(F10)2016

コンペティション・エディションが買えないアメリカでは、M5ピュアメタルシルバーという独自のモデルを手に入れることができた。$130,900(1429万円)で、もちろんシルバーのみのラインナップ。

BMW M5(G30) 2017〜

そして6世代目となるM5が9月12日のフランクフルト・モーターショーで発表されることになっている。M5史上初、xDrive搭載の4駆だが熱心なドライバーはリアのみの駆動も可能。

4.4ℓのツインターボV8エンジンに8速ステプトロニック・トランスミッションが組み合わさり、608psを発生させる。もちろんこれまでのモデル以上に速いはず。待ち遠しい!