「落語の魅力を知らないなんてもったいない!」がコンセプトの番組/(C)NHK

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落語マニアの東出昌大と真打ち・春風亭一之輔を中心に二ツ目の柳亭小痴楽、柳家わさび、立川吉笑、そして落語研究会出身の雨宮萌果アナウンサーが落語の魅力を伝える「落語ディーパー!〜東出・一之輔の噺のはなし〜」(8月21日、28日[月]夜11:00-11:30NHK Eテレ)。

【写真を見る】手描きのような線のデザインの美術セットも話題/(C)NHK

落語ファンはもちろん、今まで落語に触れてこなかった世代にも話題の同番組で、第3夜となる21日の放送に先駆け、番組プロデューサー・今野徹氏にインタビューを行い、誕生のきっかけや、見どころなどを聞いた。

――今までにはないような落語の紹介の仕方をしている番組ですが、どのようなきっかけで制作に至ったのでしょうか?

私自身、さまざまな落語の実演番組を手掛けており、長く関わってきていますが、NHKにも民放にも落語の実演の番組はあるものの、落語の“世界”を掘り下げている番組はありませんでした。テレビマンとして現役のうちに、そういう番組を手掛けてみたいなと思っていました。

――手描きのような無数の線や文字が特徴的な美術セットですが、コンセプトは?

落語は(聞き手の)想像のパフォーマンス・芸術です。そこで今回は、美術デザイナーがセット図などをデッサンする方眼罫のある紙に描かれた、寄席のイメージ図というコンセプトにしました。色などは見る方の自由自在、という心です。

――メインの東出昌大さん、春風亭一之輔さんのキャスティングはどのように決まったんですか?

ちょうどこの企画の大本である落語を説明するような企画を考えていた頃に、落語ファンなら愛読している人も多い演芸情報誌「東京かわら版」で、「巻頭エセー」という、落語・演芸以外の各ジャンルの方々がその“落語愛”を語るコーナーの平成26年2月号、東出昌大さんが登場しているものを読みました。

そこで書かれていた文章から伝わる“落語熱”を感じた頃から、生真面目に落語が大好きである東出さんのことはとても気になっていました。そして、決定的になったのは昨年夏の某雑誌で、東出さんが「僕と同世代の若い人が、落語を知らないなんてもったいない」と語っていたことです。

この番組でもその言葉をコンセプトにさせていただきました。日頃は実演もの(ドラマ・映画)で拝見することが多いので、恐る恐るお願いをしましたね(笑)。

一之輔さんは現在39歳で、抜てきで真打ちになったこともあり、落語界をリードしている人々の中でもダントツで若かったというのが理由です。

落語界では、40、50歳はまだまだ若手と言われていて、それより下の年齢は子ども扱いです(笑)。しかし、今回は「若い世代に落語を知ってもらいたい」ということが根底にあるため、できれば東出さんと同世代でメンバー構成をしたいという思いがありました。

ベテランや中堅からだと、とかく説教っぽく聞こえてくることを排除したかったからです。同世代と語り合うことで、ハードルを下げられればという思いから、東出さんよりやや上の世代の一之輔さんにお願いしました。

それに加えて一之輔さんは、目の前のお客さんの状態や様子に合わせて落語の登場人物の性格などを動かしてゆく、ある種の“落語の天才的感覚”を持った人ですので、うまく運んでくれるという確信がありました。

――番組全体に“落語愛”があふれている番組ですが、1番の見どころはどこでしょうか?

東出昌大さんの“落語愛”からほとばしる質問をきっかけに、一之輔さんを始め東出さんと近い世代の若手落語家達が、赤裸々にそして惜しみなく、落語の肝を話して下さっているところです。

また、俳優と落語家という実演家同士ならではのジャンルの違いから生じる相違点と共通点も披露してトークが展開しています。もちろん、学生時代は落研(落語研究会)に所属していた雨宮萌果アナウンサーのさりげない差配も、トークのスパイスの役割も果たしています。

落語を知らなくても、その熱や面白いトークに追引き込まれ、あっという間の30分です。トークの後は、必ず落語が聞きたくなるに違いありません!

■ 8月21日(月)放送のテーマとなる演目は「お菊の皿」

荒れ果てた屋敷の井戸で、恨みを込めて皿の数を数える「お菊さん」の幽霊が実はとても美人だった! 

その姿を見たいと大勢の見物客が押しかける事態に。お菊のまんざらではない様子などが描かれ、怪談ばなしから笑いに移り変わる物語。

その転換を演じる際に気を付けていることや、古典を現代風にアレンジできるアドリブの工夫などを、落語家たちが赤裸々に明かしていく。さらに、東西の名演映像、そして春風亭一之輔の実演を交え、落語の自由な世界を深彫りする。

また、番組ホームページでは、過去2回の放送のテーマ「目黒のさんま」(柳家わさび)と「あたま山」(柳家花緑)の実演映像を公開中だ。