江戸時代のイクメン事情

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江戸時代は、長い歴史からみればついこの前の時代です。一般的に江戸から明治は、近世から近代への移り変わりであるといわれています。しかし、突然に変わったわけではありません。そんな江戸時代の文化に、子育てにおいて父親が子どもを育てていたという事実があります。

なぜ父が育てる?

太田素子による『江戸の親子:父親が子どもを育てた時代』(吉川弘文館)には、タイトルの通り江戸時代のイクメン事情が記されています。なぜ、江戸時代は父親が子どもを育てていたのか。まずなによりも子どもは、家を存続させる存在として重要でした。そのため、大事に育てることはもちろん、時々で行事を行ったり、儀礼を教えたりといったことを行っていたのです。子育ては、公共に寄与する行為ともされていました。いわば、世間に出して恥じない子どもを育てることが、家の務めというわけでしょうか。なんとも仰々しいですが、これは現在における「しつけ」と言い換えても良いかもしれません。

日記から読み解く

本書が面白いのは、広く流通する歴史的な史料だけではなく、下級武士の日記などから生活や人となりを読み解いているところです。生活史にせまっているのです。現代から時代を経た数百年後には、子育てブログやSNSのログが、21世紀の子育てはどうしていたかと振り返られるようになるのかもしれません。