開幕戦は終盤のみ出場した香川真司【写真:Getty Images】

写真拡大 (全2枚)

 ドルトムントは19日、ブンデスリーガ開幕戦で完勝した。香川真司は負傷の影響で出遅れたが、ボス新体制で活躍できるという自信があるのかもしれない。(取材・文:本田千尋【ボルフスブルク】)

---------

好発進ドルトムント。出遅れた香川…

 与えられた時間は5分間だった。ブンデスリーガ17/18シーズンの開幕節。ボルシア・ドルトムントは、序盤から集中を切らさず、攻守の切り替えを徹底し、VFLボルスブルクを圧倒した。プレッシングで敵に圧力をかけ、ボールを失えばすぐに奪い返そうとする。セカンドボールを拾い、パスを繋ぎ、大胆に攻めるべきところは攻めることで、前半を終えた時点で既に2点のリードを奪っていた。

 ゴールとなった22分のプリシッチのシュートも、27分のバルトラの一撃も、思い切りの良さが目立った。ボス体制の骨子とでも呼ぶべき、しっかりとした守備と自由を与えられた攻撃が、バランス良く実現。60分にプリシッチの右からの折り返しを、オーバメヤンがファーで仕留めた時点で、試合の行方は決した。86分に投入された背番号23がプレーしたのは、勝敗が決した後の、最後の5分間だった。

 香川真司は「試合に出たい気持ちは強いです」と言う。脱臼した左肩に、もはや問題はないのだそうだ。

「可動域自体はいきなり広がらないので、まだまだ広げていきながら。ただ試合とか練習はできる状態なので、そこは全く言い訳するつもりもないし、試合に出れる状況なので全く問題ない」

 とはいえ、先週のDFBポカール1回戦、1.FCリーラジンゲン・アーレン戦で実戦復帰したばかり。プレシーズンからチーム作りは進んでいる。現時点での戦術への適応度という意味では、どうしてもカストロやゲッツェが先を行っている。出場時間が限られるのは仕方のないことだ。

焦りはなし。特長をいかせるという確信

 もちろん香川は長期的な視野を忘れてはいない。

「焦りは全くないですね。ただ、やはり、試合に出たい気持ちは強いですし、今日も5分、10分くらいだったので、そこはフラストレーション、多少なりともありますけど、ただこれから長いシーズンだと思っているので、全く時間は問題ないし、しっかりと継続して一歩一歩進んでいきたいなと思います」

 それでも出場時間が短いことで感じる「フラストレーション」。それは「自信」があるからこそ生まれる感覚なのかもしれない。アーレン戦の試合後に「さらに自分の良さをこのチームに植え付けて行けたらいい」と語った香川。ボス政権下における自分自身の“強み”を意識している。

「攻撃で前を向くことだったり、テクニックっていうのは、この(チームの)中でも自分自身、特に自信を持っているところなので。スピードのある選手は多いですけど、やっぱりテクニックだったり、厳しい状況でボールを受けるってことを考えた時に、自分自身がそこに長けていると思うので、それを上手くバランスを取りながらやれれば、自分自身はもっと生きてくると思う」

 そして今の香川にはリーダーとしての自覚がある。

「自分が入ったら自分が中心にならないといけない。それを意識してやらないと、チームに合わせていたら恐らくまた中途半端な結果に終わると思っている。もうこのチームで長いですし、ピッチに入ったら自分自身がやるっていう気持ちがなきゃいけない歳なので。そういう意味では代表でもクラブでも、僕がしっかりとやっていきたいなと思っています」

 ドルトムントの一員であり続けていることの、日本代表の10番であることの誇り。プライドを胸に秘め、仲間たちを牽引し、“強み”を発揮していく。そうやって香川の出場時間は、「一歩一歩」、増えていくはずだ。

(取材・文:本田千尋【ボルフスブルク】)

text by 本田千尋