『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』公式サイトより

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 山粼賢人(22)主演の実写映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』が8月18日、本編のオープニング映像13分をYouTube上に公開した。全国週末興行成績ランキング(興行通信社調べ)では2週目にして10位圏外に落ち込んで大爆死した果ての采配に「なんでこんなに映像流すんだ!?」と非難が続出している。

 スペインで大規模なロケを敢行した映画『ジョジョ』。公開初週は、全国週末興行成績ランキングで初登場5位にランクインし、興行収入は1億6600万円。2週目は早くもトップテン圏外の11位に沈んだ。大型企画だけに、最低でも10億円は稼ぎたいところだが5億円突破すら怪しく、大赤字の気配だ。

 挽回のチャンスも断たれようとしている。18日には広瀬すず(19)と菅田将暉(24)が声優出演して話題のアニメ映画『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』が、19日にはEXILE TRIBEによる映画プロジェクト第3弾『HiGH&LOW THE MOVIE 2 END OF SKY』が公開された。さらに、25日には世界中で正真正銘のヒットを飛ばす『ワンダーウーマン』が控えており、『ジョジョ』はトドメを刺される寸前だ。

■大爆死の末…『ジョジョ』本編映像を大放出の暴挙

 そんな差し迫った状況下で18日、『ジョジョ』は公式サイトを通じて、冒頭の13分を公開。また13日前後から、一部映画系メディアを通じてCG映像が映える戦闘シーンなども大盤振る舞い。一体なぜこんな采配に打って出たのか。

「漫画の第1話をネット上で無料公開するのと同じ算段でしょう。つまり『少しでも観てもらえれば、続きが気になって仕方がなくなるはずだ』という狙いがある。大爆死しているだけに、半ばヤケクソの感も否めない」(映画関係者)

 こうした無料の本編公開に対し、ファンからは批判や怒りの嵐だ。賛成派の意見を上回って「こんな無駄な13分は初めてだ!」「目玉シーンをほぼ公開してる」「これでもう映画みにいかなくてすむ」「そのうち(上映時間の)半分くらいまで出しそう」「こんなに公開したら観た人に対しても失礼でしょうが…」と皮肉や批判のオンパレードだ。

 一層怒りを露わにしているのは、映画を実際観に行った観客だ。「見に行ったのになんでこんなに映像流すんだよ!?こっちは金払ってるんだぞ!!」とブーイングを飛ばしている。

「宣伝が足を引っ張る模範例。興行収入がふるわないからといって、観客を惹きつける大事な見所や、本編の約1割にあたる冒頭シーンをネット公開するのは愚の骨頂。YouTubeで十分楽しめる映像を、わざわざ映画館へ観に行く人がいると思っているのだろうか。いくらなんでも観客をバカにしすぎ」(前出・映画関係者)

 赤字必至で、製作サイドの焦りが見える映画『ジョジョ』。公開されて2週間以上経った今もなお、なぜ原作ファンの猛反対を押し切って実写化したのか、理由は不明のままだ。

文・阿蘭澄史(あらん・すみし)※1974年滋賀県出身。フリー記者。某在京スポーツ紙の契約記者を経て、現在は週刊誌等で活躍中。主な著書に『真相!アイドル流出事件簿』(ミリオン出版)、『事務所をクビになった芸能人』(竹書房)、『芸能人のタブー』(宙出版)など。