最近、中国と米国は経済貿易の分野で一進一退の状況が続いている。

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最近、中国と米国は経済貿易の分野で一進一退の状況が続いている。両国は、貿易不均衡の是正に向けた「100日計画」を積極的に実施し、4つの対話(外交安全保障対話、包括的経済対話、法執行とサイバーセキュリティーの対話、社会と人文対話)を設置した一方で、米国のアクションは止まらず、中国に対して一国主義の色濃い貿易慣行についての調査を始めようとしている。人民日報が報じた。

米トランプ大統領は今月14日、中国が米企業の技術移転などの知的財産権を侵害している疑いがあるとして、米通商法301条に基づく調査を検討するよう通商代表部(USTR)に指示する大統領令に署名した。あるアナリストは、「この調査は、米国の単独行動で、中米の経済貿易関係に悪影響を及ぼすとする、各界の懸念を誘発する」と指摘している。

▽中国との貿易で利益を得ているのは明らかに米国

米国政府が中国に対して、米通商法301条に基づく調査を計画している主な理由は、巨額で、拡大を続ける米国の対中貿易赤字と見られている。

2016年、中国の統計によると、対米物品貿易黒字が2540億ドル(約27兆9400億円)だったのに対して、米国の統計によると、対中貿易赤字は3470億ドル(約38兆1700億円)と、対中貿易赤字が米国の赤字総額の約50%を占めている。

貿易赤字の状況では、米国は損失を被っているということなのだろうか?

中国商務部(省)国際貿易経済合作研究院国際市場研究部の白明・副部長は、「貿易赤字と利益面での赤字は別の話。米中の経済貿易において、利益を得ているのは米国。米国の消費者が享受している実益は目に見えるほどはっきりしている」との見方を示している。

商務部が発表した「中国と米国の経済貿易関係に関する研究報告」によると、世界のバリュー・チェーンにおいて、中国が貿易黒字となっているものの、米国のほうに利益がある状態。全体的に見て、ウィンウィンとなっている。中国の統計によると、中国の物品貿易黒字の59%が外資系企業で、61%が加工貿易。中国は加工貿易から少しの加工費を利益として得ているだけで、一方の米国は設計から部品の供給、マーケティングなどの面でも巨大な利益を出している。

米イェール大学シニアフェロー上級研究員のスティーブン・ローチ氏は、「米国は100カ国以上との貿易で赤字を計上している。米国経済はサービス業をメインとしており、貯蓄は少なく、消費が多い。自国の生産だけでは国内の消費の需要を満たすことができず、大量の商品を輸入しなければならない。貿易赤字は実質的には、米国が他の国の余っている貯蓄を利用して、自国の生産能力を上回る消費水準を保っているだけのこと」と指摘している。

中国の対米物品貿易が黒字になる理由はたくさんある。その根本原因は、両国の経済構造や産業競争力、国際分業などによって決まり、現行の貿易統計制度、米国の対中ハイテク輸出管制などの要素の影響を受ける。為替レートが同じ状態において、中国は、労働密集型商品の分野で黒字である一方、資本技術密集型商品や農産品、サービス貿易などの分野では赤字。つまり、強い競争力を誇る産業ほど黒字になるということだ。中国と米国は輸出入どちらの面でも、市場次第で両国の企業と消費者の自主的な選択が結果となる。カギとなるのは、中国が積極的に米国の対中貿易赤字という状況を改善している点だ。

▽米国が単独行動しても当て外れになる

14日にトランプ大統領が大統領令に署名したからといって、米国が直ちに具体的な調査を始めるわけでも、中国に対する制裁を必ず実施するわけでもないとの声もある。米国のある首脳は、米国が『301条に基づく調査』を本当に実施するとすれば、中国と話し合いの場を設けてからになる」との見方を示している。