FC東京からポルティモネンセへの移籍が決定的と報じられた中島。写真:サッカーダイジェスト

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 一部の報道によれば、中島翔哉(FC東京)の欧州移籍が決定的だという。
 
 新天地として名前が挙がっているのは、ポルトガル・リーグ1部のポルティモネンセ。かつてハメス・ロドリゲス(コロンビア代表MF)がポルトで、アンヘル・ディ・マリア(アルゼンチン代表MF)がベンフィカでブレイクしたポルトガル・リーグは“若手の登竜門”としても知られるが、今回の移籍が成立したとして、中島はヨーロッパの舞台で通用するのか。
 
 2016年のリオ五輪前、中島はこんなことを話してくれた。
 
「海外の選手は『真っ向勝負』してくれる。1対1の強さやプレーの激しさはJリーグのそれと比べ物にならない。世界基準でやれるほうが面白いし、そういう相手に立ち向かうほうが自分に合っているなと感じます。(中略)Jリーグ、アジア、ヨーロッパに関係なく、どこでやっても一番目立つ選手にならないといけない」
 
 こうした強気なスタンスは、海外向きと言える。ヨーロッパでプロサッカー選手として生きて行くにはなにより“自己主張”が重要なはずで、そこから判断すればいずれ大ブレイクする可能性はあるだろう。
 
 実際、ピッチでもボールを持てば果敢にドリブルを仕掛ける。足もとのテクニックは一級品で、縦への推進力もJ屈指のレベルだ。パスよりも単独突破で局面を打開して自らゴールに迫る中島のスタンスは、見方によっては独りよがりに映るものの、アタッカーとして不可欠な要素でもある。
 ヨーロッパでプレーする日本代表の選手たちに「欧州で成功するためには?」と訊くと、決まって「結果」という答が返ってくる。ケルンの大迫勇也やレスターの岡崎慎司も「やっぱりゴールでしょ」と言うように、“分かりやすい結果”が成功の条件と言える。

 自ら仕掛けてゴールを狙うという積極性は中島のストロングポイントなのだが、問題は決定力。シュートチャンスがだいぶあるにもかかわらず、効率よくゴールを奪えてないのが今の中島だ。事実、今季J1の22節を終えて、19試合に出場している彼はここまでわずか2ゴールしか決めていない。この決定力不足はある意味、致命的な弱点になりかねない。
 
 もっとも、かつてはドリブラーという印象が強かった金崎夢生(現・鹿島)もポルティモネンセでのキャリアを経て、Jリーグ屈指の点取り屋に成長を遂げている。
 
 得点力に疑問符が付く現状では、いきなりポルトガル・リーグで結果を残すのは難しいかもしれない。ただし、金崎の例もある。ポルトガルで強靭さ、得点感覚に磨きをかけ、ドリブル小僧から点も取れるアタッカーに進化を遂げれば、さらにその先──。欧州屈指のビッグクラブへのステップアップも可能だろう。
 
 もちろん、移籍の正式発表がされていない段階でそこまで話を飛躍させても意味はない。

 ただ──。“ボールは友だち”を地で行く中島のポテンシャルは底知れないものがあるだけに、期待せずにはいられない。
 
文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)