東京の上野や浅草、大阪環状線の主要駅などには、昭和の面影が色濃く残る「地下街」がありました。大阪の「ぶらり横丁」は消滅し、上野の不忍口へと続く地下飲食街はJR系のいまどきなエキナカ空間へと変わりました。

お盆休みも終わり、駅には普段の雑踏が戻ってきました。青春18きっぷで旅する人たちと見受けられる姿もありますが、日本の夏休みもいよいよ後半という感じ。

先日の大阪出張で、19時ごろ仕事を終え、あらためて思ったことがあります。熱暴走するスマホを手に、Googleマップを開き「角打ち」と入力して地図検索すると……さすが大阪。角打ちを展開する酒屋が、ホントに数多くあります。

東京の場合、「角打ち」と検索しても、コギレイで高額な居酒屋がヒットするばかりで、本来の酒屋にテーブルをちょこっとつけたタイプの現場は、見つけるのがたいへんなほど。門前仲町や人形町、赤羽橋ぐらいまで足を伸ばさないと、角打ちを展開する酒屋にはたどりつけません。

では、そもそも「角打ち」とは。「北九州角打ち文化研究会」公式ホームページには、こう記されています。

「北九州では、「酒屋の店頭で酒を飲むこと」を「角打ち」と言う。(中略)酒屋のカウンターで立ち飲みをすることを「角打ち」と言わない地方もある。関西では、酒屋で飲むのは、「立ち呑み」、立ち飲み屋で飲むのは「立ち飲み」らしい。東北では、「もっきり」とも。九州と関東は、酒屋で飲むことを「角打ち」と言うところが多いようである」(北九州角打ち文化研究会)

そこで、大阪・梅田エリアで「角打ち」「立ち呑み」とGoogleマップ検索すると、いろいろ出てきます。「まあでも、いろいろ悩むより、いつでもところでいっか」ってことで、今回は大阪駅から歩いて10分の、静〜かな交差点にある店にしました。混雑する駅ナカや、新梅田食道街よりも、静かで安いし、ホッとできる。SNSやらない人脈・友人ナシ、つながりゼロの中年にはぴったりの留置線です。

現場は、新駅設置で工事まっただなかの梅田貨物ターミナル跡地を地下道で抜けて、大阪北郵便局の先、中津5交差点。工場や倉庫、郵便局などが並ぶ静かな街だからか、土日は休業。平日だけ、夕方から角打ちの灯りがともる店です。

カウンターにズラリと並ぶ、おばちゃんがつくってくれた惣菜を「どれにしよっかね」と選んで、瓶ビールを注文。あっという間に、すべてが弛緩して、となりあった人とアレコレ、ゲラゲラ……。

「うわっ、もうこんな時間かよ!」ってなって、歩いて10分ほどの大阪市営地下鉄中津駅へ向かい、新大阪駅からの最終新幹線にスライディングセーフ。

静かにヤルはずが、いつもこんな感じ。東京も大阪も、電車でひと駅、ふた駅の静かな街に、こうした空間があるみたいでして……。

いっぽう浅草は、まだ THE昭和 が残ってます。地下鉄銀座線の改札口を抜けると、焼きそばの匂いと洗い場のガチャンという音。浅草地下商店街は、老舗がふんばりながら、テナントを変えながら、いまも昭和の雰囲気を残しながら灯りをともしています。