香川真司【写真:Getty Images】

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古豪ヴォルフスブルクのスカウト部長リトバルスキー氏が新生ドルトムントを分析

 海外サッカーのドイツ・ブンデスリーガが現地18日に開幕。日本代表MF香川真司が所属するドルトムントは、19日に敵地でヴォルフスブルクと戦う。6月の代表戦で左肩を脱臼し、キャンプに出遅れた香川は、重要な“ワールドカップイヤー”に熾烈なポジション争いを制することができるのか。ヴォルフスブルクでスカウト部長を務める元西ドイツ代表FWピエール・リトバルスキー氏は、強力なライバルの存在と香川の持つ「大きなアドバンテージ」について解説してくれた。

 ヴォルフスブルクは2014-15シーズンにリーグ優勝を果たした古豪。開幕戦はホームのフォルクスワーゲン・アレナでドルトムントを迎え撃つが、7月15日に行われたドルトムントと浦和レッズの親善試合など、多くのドルトムント戦を見てきたリトバルスキー氏は、2017-18シーズンのドルトムントを次のように分析する。

「私は、ボルシアMGからやってきたダフードをドルトムントで警戒すべき選手だと評価しています。非常に高いパス成功率を誇り、低い位置からフィニッシュにも絡んでくる。デンベレ、ゲッツェ、ロイスという選手が一緒にピッチに立っているのなら、この選手もマークが難しい存在です」

 リトバルスキー氏は、香川のライバルとしてドイツU-21代表マフムード・ダフードの名前を挙げる。

「ダフードは現在U-21代表ですが、ドイツ代表入りを狙っていて、すごくモチベーションが高い。来年はロシア・ワールドカップがあり、今シーズンはどの選手も代表メンバー入りへアピールを狙っています。チームの監督のみならず、代表監督に自分の力を証明したい状況なので、ダフード加入はドルトムントにとっては良い補強になるのではないでしょうか。香川にとって強力なライバルとなる存在です」

香川のライバルはドイツU-21代表のマフード、その実力はブンデスリーガ屈指

 昨季までオランダ名門アヤックスを率いたペーター・ボス新監督が就任し、ドルトムントは今季4-3-3システムをベースとする可能性が高い。香川はバルセロナ移籍が囁かれるフランス代表MFウスマン・デンベレに代わり、ウインガーとして起用される可能性も浮上しているが、インサイドハーフであればダフードがポジションを争う相手になるという。

 シリア出身の21歳は、昨季リーグ戦で28試合2得点と数字では大きなインパクトを残していない。それでも、実際に補強候補としてダフードのスカウティングを進めていたというリトバルスキー氏は、若き司令塔の実力はすでにブンデスリーガ屈指だと語る。

「昨シーズンの出来は、完璧まではいかずとも優秀と呼べるものでした。パス能力、戦術理解度、ゲームを読む眼は非常にハイレベルです。ボスのチームにフィットし、彼は3枚のミッドフィルダーの1人になるでしょう。タイプで言うと、『8割パサー、2割フィニッシャー』というところでしょうか。シュート精度も高く、クロスからのフィニッシュは素晴らしいですよ」

 ドルトムントの中盤は、ドイツ代表MFマリオ・ゲッツェとユリアン・ヴァイグル、元ドイツ代表MFゴンサロ・カストロ、トルコ代表MFヌリ・シャヒンら実力者が揃っている。ポルトガル代表DFラファエル・ゲレーロも昨季は中盤で起用され、高いパフォーマンスを見せており、ポジション争いはさらに激化することが予想される。

「若さと経験の良い融合、バランスが勝つためには必要。カガワには経験がある」

 では、香川にチャンスはあるのか。リトバルスキー氏はチームのメンバー構成から、日本の誇るプレーメーカーにも大きなアドバンテージがあると指摘する。

「(右足首骨折で)ヴァイグルが戦線離脱している状況で、中盤はカガワ、カストロ、ダフードという組み合わせになるかもしれません。カガワには経験がある。若い選手だけでは、チームはバラバラになります。若さと経験の良い融合、バランスが勝つためには必要ですから、経験豊かなカガワにはアドバンテージがあると思います。コンディションさえ100%なら、先発で出場機会は手にできるでしょう」

 ヴァイグルとダフードはまだ21歳。あまりにも若い中盤構成では、全体のバランスが崩れるリスクも生じる。28歳というキャリアの円熟期を迎えた香川の経験値は、ドルトムントの中盤に大きな価値をもたらすという。

 リトバルスキー氏は「コンディションが100%なら」という条件付きながら、香川がドイツの強豪で躍動すると期待を寄せていた。