扇原(写真)、天野、山中、マルティノスとレギュラークラスに左利きが多く、攻撃が左サイドに偏る傾向が……。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 横浜の快進撃はどこまで続くのか。リーグ戦では、実に約3か月にわたって負けていない。11節・甲府戦の勝利から、12戦無敗。その内訳を見ると、9勝3分で勝点30を稼ぎ、22節終了時点で3位につけている。
 
 直近3試合は、2-0(20節・新潟戦)、2-0(21節・札幌戦)、1-0(22節・鳥栖戦)と連続で完封勝利を飾るなど、守備の充実ぶりが光る。「後ろに(中澤)佑二さんがいてくれるのは心強い。浮き足立っていたら、しっかり締めてもらえるし、ボランチのバランスもすごく良い。チーム全体の歯車が噛み合っている感じ」と天野純は手応えを語る。
 
 もちろん、現状に満足するわけでなく、さらに高みを目指しているが、今後の優勝戦線をいかに戦い抜いていくべきか。中澤は攻撃面の課題について語る。
 
「最後の3分の1の崩しのところで、もう少しアイデアが必要だと思う。そこを増やしていかないと。上位とやる時に、今のやり方で点を取れるかと言ったら、難しいかもしれない。上位陣は守備のところで、なかなか穴を空けてくれない。こっちが点を取れずにいると、カウンターをくらって失点する恐れがある。強いチームには、カウンターで確実に仕留める能力を持ったFWがいるので」
 
 総失点17は断トツでリーグ最少だが、総得点30は18チーム中で8番目と、凡庸な数字となっている(いずれも22節終了時点)。
 
 点が取れていないわけではないが、これまで以上に攻撃力を高められれば、「ブロックを作っても下げ過ぎない。取りに行く」(中澤)という自慢の堅守と相まって、より勝利の確率は上がっていくはずだ。
 
 守備のオーガナイズの中心が中澤なら、攻撃はトップ下の天野の手綱捌きがカギを握る。この技巧派レフティのビジョンは?
 
「左サイドから仕掛ければ、そこで崩し切れてしまう部分があるので、右の割合が多少、少なくなってきていると思う。左だけだと相手に読まれてしまうので、中央、右、左とバランス良く攻められればいい」
 
 チームには天野を含め、ボランチの扇原貴宏、左SBの山中亮輔、最近は左に回ることが多いサイドハーフのマルティノスと“レフティ率”が高く、攻撃が左サイドに偏りがちだ。
 
 両サイドハーフのマルティノスと齋藤学は頻繁に左右を入れ替えるが、齋藤が左に回っても、むしろ天野や山中らとの連動性が高まり、やはり左サイドから仕掛ける回数は増える傾向にある。

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 このバランスをまずは修正することが重要で、「もうちょっと自分が右に入ったり、中央でのウーゴ(・ヴィエイラ/CF)とのコンビネーションを意識するとか、バリエーションをさらに増やしていきたい」(天野)。
 
 今節の相手・神戸は、順位では横浜より下にいるとはいえ、ルーカス・ポドルスキやハーフナー・マイク、渡邉千真など前線の破壊力を備え、楽に勝てるチームではない。
 
 その後もFC東京、川崎、柏と難敵が続くが、「これから続く強豪相手に、どれだけ自分たちのサッカーができるか楽しみ」と、天野のモチベーションは高い。
 
 混戦模様を呈してきた今季J1の優勝戦線で、横浜は生き残ることができるか。豪華なメンバーが揃う神戸との一戦は、その試金石となる。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)