関連画像

写真拡大

京都大学は7月25日、防災研究所の助教(49)がカラ出張を繰り返し、研究費1100万円を不正に取得していたとして、同日付で懲戒免職処分にしたと発表した。

助教は2007年から2016年にかけて、架空の出張を申請して、少なくとも153回のカラ出張をしていた。領収書が不要な新幹線などの鉄道を利用したことになっていた。

京都大学は、不正経理の発覚が遅れた要因として、研究室で出張予定が適切に共有されていないことや、勤務管理と旅費支給の担当部署間での連携がおろそかになっていたことなどを挙げている。

大学だけでなく、企業でもカラ出張が起きる可能性は十分にあるが、どのようなチェックが行われることが望ましいのだろうか。小山登公認会計士・税理士に聞いた。

●調査を予告して牽制する

「人間は弱いものです。誰でも不正に手を染める可能性があります。不正はそれをいかに早く見つけるかがポイントです。しかし限られた人員と管理体制のもとで不正の発見や防止にまで時間を使うことは困難なことです」

では、どうすれば防ぐことができるのか。

「調査を予告して牽制することです。公共交通機関を利用する際は、電子(IC)定期券やICカード乗車券の使用を奨励するか、これに限るようにします。現金またはクレジットカードで支払った旅費交通費には必ずその領収書を添付させます。

そして、この電子(IC)定期券やICカード乗車券の使用経歴をプリントして提出させると事前に知らせておきます。職員のプライバシー保護のため当然個人的な使用部分は黒塗りして提出させます。

このICカード乗車券や電子(IC)定期券の使用経歴を提出させると、交通機関を利用した職員の行動がすべて把握出来ます。この使用経歴と旅費交通費の精算経歴と比較照合すれば、不正な旅費交通費の精算があれば見つけることが出来ます。

また、カラ出張を防ぐため、出張に伴う宿泊費は、旅費規程等に基づく定額支給をする場合でも、宿泊施設の領収書を提出させます」

●上司が率先してクリーンな経費処理を

「旅費に限らず諸経費の使途や経理処理に一番厳しいのは官公庁や独立行政法人等ですが、民間企業による旅費等の規程や処理は、厳しさ、甘さに大きな差があります。厳しさに差はあっても、まず役員や管理職が率先してクリーンな経費処理をすることが職員の不正を防ぐ第一歩でしょう。経営者や上司が不正をすれば、部下も見習って不正をするでしょう」

もし発覚した場合の処分はどうあるべきか。

「旅費交通費や出張費の不正は長期間反復継続するものですが、不正をした役職員には有能な人も多く、発覚後の勤務実績も良好な場合が多いようです。少額の不正や一回目の不正発覚には、ある程度目をつぶり、その役職員を活用する道を残すことも考慮すべきでしょう」

【取材協力税理士】

小山 登(こやま・のぼる)公認会計士・税理士

税務や会計監査業務に永年従事しています。顧客や納税者の立場を尊重し、秘密は厳守いたします。お客様からの質問に対しては明解・迅速に回答します。公序良俗に反する業種は扱いません。

事務所名:小山公認会計士事務所

事務所URL:http://www1.odn.ne.jp/koyama/

(弁護士ドットコムニュース)