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衛生面から入店を断られがちなペット同伴の客。しかし、中にはペット連れを大歓迎、どころか店内に「看板犬」や「看板猫」がいる飲食店もある。

たとえば、記者が知っているだけでも、熊本市の角打ちには代々、店と同じ名前をつけられた猫がいるし、東京都北区赤羽のダイニングバーでは、この春までメスのゴールデンレトリバー「ももちゃん」(4月に16歳で永眠)が看板犬を勤めていた。大阪・日本橋には、猫がいることをウリにした居酒屋も。

動物好きにとっては嬉しい限りだが、飲食店にとって衛生管理はもっとも配慮すべきことのひとつ。店内に動物がいても保健所から指導は来ないのだろうか。特別な許可が必要ないかどうか、調べてみた。

●自治体ごとに基準が違うが…おおむね調理場NG、客席OK

「厨房に動物を入れれば、指導対象になりますが、客席スペースについての規制はありません」

そう答えたのは、弁護士ドットコムもある東京都港区のみなと保健所の担当者。

「食品衛生法」とその施行令では、飲食店や喫茶店などの衛生基準は、都道府県が定めることになっている。

動物に関する規定だと、たとえば、東京都の「食品衛生法施行条例」では、「作業場には、営業者及び従事者以外の者を立ち入らせたり、動物等を入れたりしないこと」となっているし、大阪府では「作業場内に動物を入れないこと」と決まっている。

みなと保健所の担当者によると、東京都では、客席スペースに動物を配置しても指導の対象にはならないし、店側が許可すれば、客がペットを連れて来るのも構わないという。自治体ごとに微妙な違いはあるが、おおむね調理場NG、客席OKという認識で良いようだ。

「もちろん、動物が店にいるのは一般常識で考えて、衛生上良くはないので、糞尿や毛など、清掃を丁寧にしてくださいとは話します。また、特別な許可はいりませんが、たとえば厨房のドアは動物が入らないようノブ式にするとか、設備について話をすることもあります」

なお、保健所にはときたま、動物がいることを知らずに入店した客から「衛生上どうなのか」といったクレームの電話がかかってくるという。店側にとっては、入り口に動物がいることを明記し、納得してもらった上で来店してもらうのが無難なようだ。

●「第一種動物取扱業」の登録が必要な場合も

飲食店に動物を置く場合には、動物愛護管理法(動愛法)に基づいた「第一種動物取扱業」の登録も検討しなくてはならない。登録には7つの区分があり、哺乳類・鳥類・爬虫類がいる飲食店は、動物を見せたり、ふれあいを提供したりする「展示業」に該当する場合があるという。

「展示業は、動物園や水族館のほか、猫カフェなども含まれます。たまたま店に犬や猫がいるという場合は該当しない可能性もありますが、明らかに看板犬として宣伝しているとか、客がそれを目当てに訪れているような場合は、展示業になり得ます」(東京都動物愛護相談センター)

登録せずに営業した場合や改善命令、業務停止命令に従わなかった場合は、100万円以下の罰金に処せられるという。迷ったときは、各自治体の動物愛護センターなどに問い合わせた方が良さそうだ。

(弁護士ドットコムニュース)