「ムダ毛」とは言うけれど… 本当にムダなところはどこ?

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執筆:座波 朝香(助産師・保健師・看護師)
医療監修:株式会社とらうべ


処理しても処理しても生えてくる「ムダ毛」。

同じように生えていても、ムダと感じるかどうかは人それぞれです。


身体にとって「毛」とはどんな存在かを見直しながら、ムダ毛処理について考えてみましょう。

毛の役割を見直してみよう

邪魔者あつかいをされることが多い体毛。

実は「毛」にも立派な役割があることをご存知でしょうか。

どの部分に生えている毛なのかによってその役割も違ってきますが、共通していえるのは、外部刺激から身を守るということです。

ここでは、頭から足まで全身の毛の役割についてみていきます。

髪の毛

身体の一番トップにある頭は、脳という大切な臓器が収まる部位です。

そのため、外部から守る必要があります。

たとえば、物がぶつかった衝撃から守ることはもちろん、太陽の光、極端な高温や低温などからも守ります。

まゆ毛やまつ毛

ホコリや汗など、目に刺激物が入るのを防ぎます。

わき毛や陰毛

その部位の肌を摩擦から守ります。

全身の毛

「身の毛がよだつ」という言葉があるように、毛は知覚神経のサポート役で、触覚に関わっています。

毛を処理する理由はさまざま

上記のように、毛にはもともと役割があります。とはいっても、外見上の美しさの感覚は人それぞれ違うでしょう。

最近では、女性だけでなく男性もすね毛を減らしたり、なくすといった手入れをしている人もいます。

また、外見上だけではなく、体毛があることで支障をきたすような場面を想定して処理をする人もいます。

たとえば、アスリート。

水泳選手では、毛の一本一本が受ける水の抵抗をなくして、わずかでもタイムを縮めようと体毛を処理することがあります。

その他にも、サッカー選手やトライアスロンの選手、ロードバイクの選手など、トップアスリートは少しでもパフォーマンスを良くするための対策としてムダ毛処理にも余念がないですね。

異常にムダ毛に執着してしまうことも

ムダ毛が濃いと悩んでいる方の中には、思い込みが強く、自分の毛を濃いと感じてしまうという問題を抱えている方もいます。

「身体醜形障害(しんたいしゅうけいしょうがい)」という病気を耳にしたことがあるでしょうか。

これは、自分の外見に対して欠点としてとらえ、深く思い悩むことです。

しかし、その人が欠点と思っている外見は、他人からすると気にするほどではないような些細なことだったり、実際には欠点としてとらえているような事実がなかったりします。

たとえば、顔や身体のムダ毛が濃いことに悩み、何度も鏡で確認したり、剃ったり脱毛をしたりと、適切な処理をしているのにも関わらず、毛深さが改善されないと思い込んでしまい、さらに過剰に処理をするようになってしまうことがあります。

ムダ毛が増える!?間違ったムダ毛処理とは

間違ったムダ毛処理によって、余計にムダ毛が目立つようになってしまうことがありますので、正しいムダ毛処理を行う必要があります。

間違った方法として挙げられるのは、「剃る」という行為です。

自然に生える毛の構造は、先細りしているのが通常です。しかし、剃った後に生えてくる毛は、自然に生えた毛の先端よりも、断面が太く見えてしまいます。

つまり、ムダ毛を剃ることで、後に生えてくる毛が目立って見えるため、濃くなったように感じてしまうのです。

また、剃るときにカミソリを使う場合には、肌の表面を削ってしまっていることになります。肌のバリア機能を弱める行為です。

毛を剃った後に、かゆくなったり赤くなったりしてしまうのは、そのためなのです。


<執筆者プロフィール>
座波 朝香(ざは・あさか)
助産師・保健師・看護師。大手病院産婦人科勤務を経て、株式会社とらうべ社員。育児相談や妊婦・産婦指導に精通

<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供