全曲シングル・カットできるクオリティの楽曲が揃ったアヴィーチーによる待望の新作(EP Review)

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 2016年8月のイベントで、活動休止を宣言していたDJ/音楽プロデューサーのアヴィーチーが、2017年8月10日にEP盤『AVICI(01)』(※1つ目のiはマクロン付き)を急遽リリースし、再始動した。本作は、同日23時に世界同時配信され、主要各国のiTunesチャートで1位を獲得している。

 これまでに、2枚のスタジオ・アルバムと、3作のEP盤をリリースしているアヴィーチー。2015年10月リリースの2ndアルバム『ストーリーズ』から、およそ2年ぶりとなる本作『AVICI(01)』(※1つ目のiはマクロン付き)は、コンパクトながらも全曲シングル・カットできるクオリティの楽曲が、厳選して収録されている。

 1曲目の「フレンド・オブ・マイン」は、ヴァーガス&ラゴラという2人組のEDMアーティストをゲストに迎えた、アヴィーチーらしいナンバー。自身の大ヒット曲「ウェイク・ミー・アップ」に似せた、フォーク・ギターとスナッピングがアクセントになっているエレクトロ・チューン。制作には、スウェーデン・ストックホルム出身のシンガー・ソングライター、ビンセント・ポンタレと、同スウェーデンのミュージシャン、サレム・アル・ファキールが参加している。

 2曲目の「ロンリー・トゥギャザー」は、日本でも高い人気を誇る女性ポップ・シンガー、リタ・オラのボーカルが全面にフィーチャーされたナンバー。死(自殺)を連想させるような重たい内容で、ザ・チェインスモーカーズを意識したような哀愁系エレクトロ・サウンドと、リタの少し抑え気味のボーカルが、曲の世界観を表現している。制作は、カミラ・カベロやカイゴなどを手掛ける女性シンガー・ソングライター、アリ・タンポジが担当。

 3曲目の「ユー・ビー・ラブ」は、カナダ出身の新人シンガー・ソングライター、ビリー・ラフォールというアーティストがボーカルを務めている。彼の粘着質で個性的な声質が、ねっとりした歌詞に、ぴったりハマっている。サウンドは、若干古めかしい印象を受けるが、アヴィーチーのブレない姿勢がうかがえる。テイラー・スウィフトの全アルバムに参加している、ネイサン・チャップマンが、ソングライターとしてクレジットされている。

 4曲目の「ウィズアウト・ユー」も、典型的なアヴィーチー・サウンド。往年のアヴィーチー・ファンにとっては、一番しっくりくる曲といえるだろう。サンドロ・カヴァッツァという、スウェーデン・ストックホルム出身の若手シンガーが、フィーチャリング・ゲストとして参加している。ソングライターには、ワン・ダイレクションなどのヒット曲を手がける音楽プロデューサー、カール・フォークが参加。

 5曲目は、英ロンドン出身のエレクトロ・デュオ、アルーナジョージが参加した、「ホワット・ウッド・アイ・チェンジ・イット・トゥ」。フォークやカントリーといった古き良き音と、最新のエレクトロ・サウンドが融合した、斬新なナンバー。アルーナ・フランシスのボーカルが、よりポップに、曲を可愛らしい雰囲気にする。制作は、アルーナジョージに加え、ロサンゼルス出身のミュージシャン、マイク・アインジーガーが担当している。

 アヴィーチーは、本作を“第一弾”として、この後さらに2枚のEP盤をリリースすると発表している。おそらく、年内にはこれらの曲が収録されるフル・アルバムが完成するのではないだろうか。


Text: 本家 一成

◎リリース情報
『AVICI(01)』(※1つ目のiはマクロン付き)
アヴィーチー
2017/8/10 RELEASE
デジタル配信