マツダCX-5(写真: マツダの発表資料より)

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 マツダの生産が世界で伸びているようだが、国内では少々飽きられてきたようだ。マツダは車種ごとのハンドリングの味付けを変えているように感じるのだが、それほど車種ごとで車のあるべき姿が変わるとは思えない。市場調査では車種ごとにかなり違った顧客のニーズがあるようだが、マツダは市場調査に忠実なのだろう。

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■GVC(G-ベクタリング・コントロール)

 マツダのハンドリングで特筆すべきは、明らかに電子コントロールされたGVC(G-ベクタリング・コントロール)であるはずだ。

 ディーゼルエンジンCX-5に乗った。さすがに社外にいるとディーゼルエンジン車であると知れる。しかし車内に入ってしまえばディーゼルの音は聞こえてこない。

参考: 【マツダ・新型ロードスターRF登場】試乗記[1]〜[8](知恵の輪サイト、筆者運営サイト) 

【スバル・インプレッサ、マツダ・CX-3の操縦安定性と乗り心地(1)〜(7)】(知恵の輪サイト、筆者運営サイト)

 この車はハンドルを切ったときに多少前輪が滑る設定のはずの車体だ。それをGVCは、FFの特性を使って、アクセルオフでタックインさせ、回り込み過ぎたらアクセルオンで外側に向ける。これを電子制御で小刻みに高速で行って、正確にハンドリングする仕組みだ。これでハンドルが素直に切幅に従ってトレースすることを狙ったシステムだ。スバルなどはブレーキを併用してコントロールしているが、マツダはアクセル操作だけで行っているのが自慢だ。

 この制御の仕組みを初めて聞いたとき、「よけいなことするな〜」と感じたのだが、これがどうして、なかなかのものだった。

 左にカーブする交差点で、ハンドルを切ると同時にアクセル全開、床まで踏み抜いた。通常FRであれば後輪ドリフトが起きて激しいタイヤのきしみ音と共にお尻が回っていく。これがパワースライドだ。FFであれば頭が滑ってハンドルを切っても切っても曲がらない状態になる。

 しかしCX-5のGVCは、アクセルを勝手にコントロールし、何事もなかったようにSUVとも思えない安定を保ったまま、スムーズに強烈な加速をしていく。「何もすることがない」ハンドル操作とアクセル操作が忙しくなる瞬間と思って身構えていたが、何事も起こらず何もする必要も感じず、ただただ強烈に真一文字に加速していく景色を眺めているだけだった。

■クルマを駆る楽しみ

 最近とみに電子制御されたハンドリングが多くなってきた。BMW750、アウディーA8などカメラで前方をとらえた画像や、各種のセンサーからの情報をもとに、事前に4輪別々に制御して乗り心地やハンドリングをコントロールすることが多くなった。自動運転と共に将来はAIによる判断で操縦されるのだろう。

 車を駆る楽しみを残しておいてほしいものだと思うのは、もう邪道なのだろうか?安全第一だ!