山西省内の石炭採掘場で11日に発生した崩落事故で、4人が死亡し5人が行方不明になったにもかかわらず、地元当局は当初、「人的被害は出ていない」と発表した。地元警察はSNSなどに「死傷者が出ている」と投稿した人の身柄を拘束していた。資料写真。

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中国中央電視台(中国中央テレビ)は17日、山西省晋中市和順県内の石炭採掘場で11日に発生した崩落事故で、4人が死亡し5人が行方不明になったにもかかわらず、地元当局は当初「人的被害は出ていない」と発表していたことを問題視する記事を発表した。

現場は露天掘りの石炭採掘場で、大規模な斜面の崩落が発生した。報道によると、12日午後になっても救出作業が行われた形跡はなく、炭坑関係者や県当局は「斜面崩落で死傷者などは発生しなかった」と説明した。

県当局は13日になり、現場を調査した結果として「死傷者は出なかった」と改めて発表。14日にも同じ説明を繰り返した。地元警察は同日、SNSなどで死傷者が発生したとする情報を拡散したとして、1人の身柄を拘束した。

ところが、県当局は15日になってから、石炭採掘場側から警察に通報があったとして、同事故で4人が死亡し、5人が行方不明になっていると発表した。採掘場経営者は取材に対して、「事故発生の11日には日本に行っていた。メディアは『死傷者なし』と報じていた。13日朝に現場に到着したが、救出作業は行われていなかった」と説明。14日夜になり死傷者が出たことを知り、当局にただちに届けたと釈明している。

和順県の情報発信は県信息中心(県情報センター)が扱っている。しかし、センターは各部門から送られてきた原稿の誤字や明らかなミスをチェックするだけで、内容の確認はしていない。石炭採掘場の事故について「死傷者なし」との原稿を用意したのは県煤管局(石炭管理局)だったという。

県煤管局は事故発生翌日の12日午前に職員が現場を訪れ、採掘場関係者からの事情聴取を含めた調査をした結果、死傷者は出ていないとの結論に達したので発表したと説明した。

警察は、死傷者発生と投稿した人の身柄を拘束したことについて、「関係部門の初期における調査が十分でなかったため、警察として間違った判断をした」と認め、すでに釈放したと説明した。中国中央テレビによると、身柄を拘束された人物は11日の事故で作業員の多くが生き埋めになったとして、「現場周囲の道路は封鎖されている。車両の通行をさせていない。救援のための重機や車両を入れる場合には、携帯電話を使わせないようにしている。彼らの目的は隠蔽(いんぺい)で、事実を隠すことだ。皆さん、この情報を広めてください」などと書き込んでいたという。

中国では産業絡みの事故発生にともなう情報隠しが長年にわたり発生している。国としては事故や災害発生時の情報の透明化を強調しているものの、情報隠しは発生し続けている。

新華社は17日午後10時57分付で、事故現場では重機13台、車両33台を投入して24時間体制の救助・捜索作業が続けられており、17日正午までに4人の遺体が見つかったと報じた。

しかし同事故について、「誰が情報隠しを画策し、誰が同調したか」ということの報道や発表はない。仮に当局側の言い分が事実だとしても、炭鉱側の情報隠しをチェックする機能が働いていなかったことになる。現場で本格的な救助作業が始まったとしても、「当局発表」に対する国民の不信が払拭されたとは到底言えない状況だ。(翻訳・編集/如月隼人)