写真を販売しているサイト(ストックフォトサイト)では、販売中の写真のサンプルをそのまま転用されることがないように、はっきりとわかる「透かし」を入れていたりします。しかし、現在用いられているような「透かし」は、コンピューターアルゴリズムを用いて簡単に除去可能であることをGoogleが示し、もう一手間加える必要性を説いています。

Research Blog: Making Visible Watermarks More Effective

https://research.googleblog.com/2017/08/making-visible-watermarks-more-effective.html



これは、Googleが「CVPR2017(コンピュータービジョンとパターン認識のカンファレンス)」の中で「On The Effectiveness Of Visible Watermarks」として発表したもの。論文はオープンアクセスで、誰でも全文読むことができます。

On the Effectiveness of VisibleWatermarks

(PDFファイル)http://openaccess.thecvf.com/content_cvpr_2017/papers/Dekel_On_the_Effectiveness_CVPR_2017_paper.pdf

内容を具体的な事例を挙げて説明するムービーがYouTubeで公開されていて、これを見るとGoogleがどういうことを言っているのかが一発でわかります。

On the Effectiveness of Visible Watermarks - YouTube

画像に「透かし」が入れられているのをネット上のあちこちで見かけることがあります。



いざ、人の力でこの透かしを消そうと考えると、なかなかに大変。





元の画像はこんな感じで……



作業後がコレ。これでもなお、「×」印の透かしが残っています。



オリジナル映像だと、ここまで到達するのに9分かかっています。

How To Remove Watermark Over Image. - YouTube

ところが、コンピューターアルゴリズムを活用すると、透かしはかなりきれいに消せてしまいます。下記画像は、単純に透かしを「引き算」で消そうとした結果で、まだ透かしの形がほぼそのまま残っています。



しかし、「アルファマット」を活用すると、「透かしの自動除去」ができてしまいます。





まずは除去する透かしを複製するため、透かしが入った大量の画像を読み込んでその変化を調べます。



画像を61枚読み込ませた時点でこんな感じ。右側に「おそらく、使われている透かしはこんな感じ」という画像ができあがっています。



Adobe Stockで、422枚の画像を使用した場合……



サンプルとなるのはこのピラミッドの写真。中央に3つのピラミッドに重なるようにしてAdobe Stockの透かしが入っています。



そしてコレが抽出された透かし。



処理を行うと、見事に画像の透かしが消えてしまいました。



ストックフォトサイト・123RFの場合も同様。手動ではアイコンと文字を消すだけで9分かかっていた透かしですが……



この通り、「×」印まで消えました。



これは、用いられている透かしが一致しているせい。そこでGoogleが提案しているのが、透かしに対して「ゆらぎ」を持たせること。画像右下に2つの透かしが並んでいますが、左がオリジナル、右が「ゆらぎ」を加えたもの。1ピクセル単位の歪みなので、目視では違いがわかりませんが……



先ほどと同様に透かしを消そうとすると、その違いが現れます。下段左は見事に透かしが消えていますが、下段右は不自然な歪みが生じています。



この一手間で、ストックフォトをよりしっかり守れるようになる、というわけです。