ビジネスメールでの「絵文字」使用、印象を悪くする可能性

写真拡大

ビジネスメールの文面に「スマイリー(絵文字)」を入れることは、一般的には良い考えではないことが確認された。メールに絵文字を入れた場合、受信者が送信者から受ける印象は悪くなる可能性があり、情報を共有したい気持ちもそがれるという。

イスラエルのネゲヴ・ベン・グリオン大学のエラ・グリクソン博士が複数の大学と共同で実施したこの調査は、「仮想世界での行動が現実世界での行動といかに関連付けられているか」というまだあまり理解されていない部分を探るものであり、興味深い調査だといえる。

「能力」が低く見られる?

グリクソン博士らが率いるチームは、複数の実験を行った。そのうちの一つでは、参加者たちにいくつかのメールの文面を読んでもらった。メールは新たに採用された従業員が、自分が加わることになるチームのメンバーに宛てたものとして作成。絵文字を入れたものとそうでないものを用意した。

参加者たちに送信者の「温かさ」と「能力」について評価してもらったところ、絵文字があることで「温かさ」の評価は高まったものの、違いはごくわずかにとどまった。一方、「能力」がある人だと思うかどうかについては、評価には悪影響が及んでいた。

絵文字でなく「笑顔の写真」を見せた場合、写っている人に対する上記2つの基準に関する評価は、高まることが分かっている。これは、対面でのやり取りに関する過去の調査結果と一致する。だが、これは同時に、仮想世界で受ける印象が、現実世界で受けるものとは異なるものになり得ることを示すものであるともいえる。

仕事のメールに絵文字が使われていた場合、受信者があまり要素の多い文章を返信しなくなったことについて研究チームは、「能力が低い相手だという印象は、情報を共有したという気持ちを損なわせる」との見方を示している。

グリクソン博士によれば、「仕事のメールでは、スマイリーは笑顔を意味しない」のだ。

面識のある間柄では有効か

また、メールの送信者を明らかにせずに読んでもらった場合、絵文字の入ったメールは女性が送ったものだと考える参加者が多かった。これは注目すべきジェンダー問題であり、個別に研究を行うべきだと考えられる。

博士は今回の調査結果を受けて、次のように述べている。「スマイリーをバーチャルな笑顔と考える人が多いようだが、仕事の場合、少なくともその仕事に就いた最初のやり取りの段階においては、この考え方は間違いだといえる」

「現時点では、スマイリーが実際の笑顔の代役を果たせるのは、メールの送信者と受信者がすでに面識のある間柄の場合だけだ。送信者の年齢や性別に関係なく、最初のやり取りにおいては、絵文字の使用は避けるべきだ」