スポットインタビュー 
Twitter Japan テレビCMの舞台裏
〜人気SNSが仕掛けたブランドキャンペーンの本当の狙い〜

皆さんはご存知だろうか? SNS系のプラットフォームとして日本での人気が高いTwitterが、今年から利用者に向けたマーケティング活動として、マスメディアを利用したブランドキャンペーンを開始している。知名度では言えばバツグンのTwitterがなぜCMを? Twitterが利用者に伝えたいメッセージとは何なのか、そしてなぜ「今」なのか。アジア太平洋地域におけるTwitterのマーケティングの統括ディレクターとして活躍されている渡辺英輝氏に、今回のブランドキャンペーンの意図や目的、また今後の展開などについてお話を伺った。
(テキスト:久保靖資、撮影:小池彩子)

>>> 後編:日本市場の特性を考慮したキャンペーンプランニング

 Interview
Twitterが「今」ブランドキャンペーンを開始したわけ
――マーケティングディレクターとはどういったお仕事なのでしょうか。

渡辺氏●Twitterには大きく二つのマーケティング部門があります。ひとつはBtoBで、いわゆるTwitterの主要な収益源である広告営業。もうひとつはBtoCでして、Twitterの利用者層へ向けてのマーケティング活動です。私は、アジア地域におけるこれら二つのマーケティング活動の統括をしております。

BtoBに関しては、広告代理店やクライアントなどに対して、Twitterの広告商品の紹介や商品としての優位性などを説明し、出稿していただくという、いわゆる広告営業を中心として、その他に、年に何回かは目的を持ったイベントを開催したり、業界紙などのメディアへの寄稿なども行っています。後者のコンシューマ向けのマーケティングに関しては、実は今年から開始しまして、アジアにおいては日本が初の試みとなります。

――マーケティングを統括されるようになって何年くらいになるのでしょうか。

渡辺氏●マーケティング部門に異動したのは昨年の秋からで、その前はブランド・ストラテジーチームといって、Twitterを利用されている企業に対してTwitterを利用したイベントなどの企画・運用をサポートする部門にいました。分かりやすく言うと、キャンペーンプランニングを提供していたんです。すべてではないですが、話題になったキャンペーンに絡むこともありました。また、場合によっては、まだ世の中に出ていないTwitterの広告商品を実験的に使ってみませんか? といった提案なども行って、そこで創り上げたメソッドを汎用化することで、広告営業ツールとして横展開するといったこともありました。

それが2年半くらいですね。Twitterに入る前は広告代理店にいたので、その経験を買っていただいてTwitterに入社したのですが、クライアント向けの広告ソリューションの提供だけでなく、自社、つまりTwitter自身のマーケティングにも関心が高まってきて、今の仕事へとキャリアチェンジしたのです。

――今回のブランドキャンペーンはどういった経緯で?

渡辺氏●現在、Twitterの市場としては日本はアメリカに次いで世界第2位となっています。広告収益という面でもそうですが、それ以上に非常にTwitterが愛されている国でもあります。日本での利用者数・収益の上昇は、現在でも他国に比較して抜きんでている状況ですが、まだまだ上げられると考えているのです。本社における評価としても、日本市場で頑張ることが他国市場を牽引することに繋がる、それだけの影響力を持っていると考えられています。つまり、グローバルな観点で日本はとても重要なマーケットである、という認識です。ですから、今回のブランドキャンペーンは、グローバルキャンペーンではあるのですが、まずは北米と日本で展開したのです。

――実際のところ伸び率は鈍化しているのでしょうか。

渡辺氏●いえ。鈍化はしていないのです。ただ、先ほども申し上げたように、世界でもNo.1の伸び率がある市場ですから、さらにマーケティングを強化することで、他国を牽引していくことを本社からも求められているわけです。“もっともっと行け!”と(笑)。そういう意味では、実験的な試みでもあります。

――日本ではすでにTwitterの認知度は高く、その意味ではこの時点でマスメディアを利用したキャンペーンを仕掛けられたことに少し驚きを感じました。

渡辺氏●確かに日本での認知度は高いです。利用者数も4000万人程になりました。ただ、まだまだ伸びしろがあると考えています。今までは、Twitter自体の人気や、ある意味“運”に恵まれたようなかたちで利用者数を伸ばしてきましたが、Twitterをより多くの人に知っていただくためのキャンペーンなど、分かりやすい仕掛け事はやってこなかったんです。しかし、これからさらに伸ばすとなると、自然な伸びを期待するだけでは足りません。積極的に仕掛けていく必要があるだろうと考えています。

――“仕掛けていく”というのが今回のブランドキャンペーンだったわけですね。既に認知度は高いとすると、今回のキャンペーンでの狙いというのは、どこにあったのですか?

渡辺氏●すでにTwitterという名称は認知されていますので、そこではなく、“何故Twitterを使うのか? どう使うものなのか?”を、今使っていらっしゃらない方々に対して訴求していくことです。日本において、利用者の年代層は10代20代の方々と、30代以上の方々とが半々程度です。ただ、ツイートを行う回数は若い方々のほうが圧倒的に多く、それよりも上の層はどちらかというと「読む側」なんですね。その特性ゆえに、Twitterはどちらかというと“若者向けのツール”というイメージが定着してしまった。これは、カルチャーという意味では強みではあるのですが、Twitter自体は若者向けのサービスではなく、全ての年代の方々に利用していただけるプラットフォームです。それを今回のブランドキャンペーンで伝えることができればと。

――すべての年代に通用する、Twitterの最大の魅力というのは何でしょうか。

渡辺氏●それは、Twitterがオープンなプラットフォームであるということです。Twitterの強みは、世の中で今起きていることが、どこよりも早く語られていて、同時に意見交換もできる。しかも、いろいろな視点での意見を知ることができる。例えば政治的な話題でいえば、右も左も中道も、さまざまな意見を並列的に知ることができる。それがTwitterの最大の強みなんです。ですから、幅広い年齢層の方々に、それぞれにあったTwitterの使い方を提案していって、Twitterの魅力を知っていただくことが重要だと考えたのです。

>>> 後編:日本市場の特性を考慮したキャンペーンプランニング

Twitter Japan株式会社
Marketing Director
渡辺英輝 氏
Twitter入社後、ブランド・ストラテジー部門でTwitterを利用した企業広告のディレクション業務を担当。現在は、アジア太平洋地域におけるTwitterのマーケティングの統括ディレクターとして活躍中。