「人は病気になる理由を自ら作り出している」と話すメンタルトレーナーの梯谷氏

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 「病は気から」と言うように、ストレスと病の因果関係は古くから確認されているが、具体的な方法論については「リラックスしましょう」「気分転換しましょう」などと陳腐なことしか語られてこなかったのではないか。それで病気が治るなら苦労はしない。

 そこで、言葉と脳の使い方(思考パターン)を変えることでストレスの発生原因を断ち、実際に病気を改善させる取り組みを行なっているのがメンタルトレーナーの梯谷(はしがい)幸司氏だ。

 隔週で開催される梯谷氏のセミナーはつねにキャンセル待ち、180人〜250人規模のものでも募集開始の翌日には定員オーバーになるほどの盛況ぶりで、クライアントには各界の著名人も多い。

 これまでクライアントから消えた症例は、糖尿病、脳腫瘍、動脈瘤、腎臓結石、甲状腺障害などからうつ、パニック障害といった心因性のものまで実に30以上。

 ガンも例外ではなく、クライアントのうち約40人が医療機関によりガン細胞の消失を確認され、10人が改善途中、亡くなったのは4人だ。本当であれば驚きである。

 セミナー参加者や顧客の中には医療関係者も多く、特に「言葉と心理技術で病気をやめさせる」プログラムの参加者の半数以上が医師、看護師、薬剤師で、標準医療と並行し梯谷氏のメソッドを導入している医院も少なくない。中には、ステージ2から3のガンが消失した例も報告されたという。

 しかし、そんなことが本当にありうるのだろうか? いくらなんでも出来過ぎた話ではないか……。

「病気も健康も、自分が選んだ脳の動かし方の結果に過ぎない。どのような言葉を使うと脳がどう反応し、結果として身体にどんな指示が出されるのかまでを考えていかなければならないんです」(梯谷氏)

 もともとはビジネス向けのコーチングやメンタルトレーニングを専業としていた梯谷氏。だが数年前から家族や友人が病に倒れ、その際、言葉で暗示にかけると病気が改善することが相次いだ。また、クライアントの思考パターンが変わると、抱えていた持病までが良くなる例も続出したことから、対病気にフォーカスするようになっていったという。そこには、自身の経験も影響している。

「社会人になりたての頃、コンサル会社で昼夜問わず働き、過労が原因のマイコプラズマ肺炎で入院してしまいました。社長が見舞いに来てくれたのですが、そこでいきなり『君は何を言ってないのか?』と聞かれた。つまり本音を言えと。面食らいましたが、思い切って『もう休ませてください』と返すと、『次からは体で言うんじゃなく、口で言いなさい』と。それをきっかけに、病気とは、自分が意図的に作り出しているものではないかと考えるようになったのです」

 27歳で独立してからも立て続けに病魔が襲った。腎臓結石、大腸ポリープに加え右足が血栓だらけになり手術をしなければならないほど重症になってしまったという。

「独立したばかりで内容を吟味せず、嫌な仕事もすべて引き受けていたんですね。しかし、重病になれば仕事を断る言い訳ができる。その歪みがあらゆる症状を作り出していたんです」

 そこで、やりたくない仕事はハッキリ断ったり、人に任せ始めるうちに病状が回復に向かい、特に右足は手術日を待たずに完治し医師が首をかしげるほどだったという。

◆病気を生み出すのは脳の「苦痛系回路」

 彼の言葉を借りると「病気を治す」のではなく「本人に病気をやめてもらう」のだという。メンタルモデルのズレによって生じる特定の脳の動きが、病気を生み出す。

 やりたいことをやっていたり、何かを楽しんでいるときはドーパミンが分泌され、快楽をおぼえる脳の「報酬系」が動き、免疫機能が活性化される。