生まれた時から勝ち組。

そう言われる一方で、「親の七光り」「二代目は会社を潰す」と揶揄されることもある二世たち。

親の潤沢な資金を受け継ぎ、悠々自適に暮らしているようにも見える彼ら。

彼らの生態を暴いていこう。

これまでに、身分を隠しながら嫁を探す幸一郎や親の資産格差で悩む慶應幼稚舎出身の航平、野球選手の親を持つ大知などを紹介した。

今回は?




<今週の二世くん>

名前:悠一郎
年齢:30歳
職業:総合商社
年収:800万
居住地:目黒
親の職業:鉄鋼関連会社経営


鍋専用の囲炉裏部屋がある家で育った二世くん


悠一郎の父親は、有名な鉄鋼関連会社の代表取締役である。

元々関西出身の悠一郎の実家は、兵庫県芦屋市にあり、家はまさに“白亜の大豪邸”。

家の中には温泉かと疑うくらいの大きな風呂に父親の趣味で作った盆栽部屋、そして茶室に囲炉裏部屋まである(こちらは、冬に鍋をするためだけに作られたそうだ...)。

関西で有名な私学の一貫校に幼稚園から通い、その幼稚園組の絆は東京で言うところの慶応幼稚舎に匹敵すると言えば分かりやすいだろう。

東京に出てきた今でも遊ぶのはその仲間のみで、“他の人とは話が合わない”と言い切る。

大学時代のステータスは、いかに良い車で可愛い彼女を迎えに行けるかどうかで、酒を飲む日はタクシーで女性を家まで送ってあげるなんて当たり前。

社会人になり、同僚が”学生時代には始発までカラオケで過ごした”なんて話を聞いた時の衝撃は未だに忘れられないそうだ。

友人にも恵まれ、遊ぶ資金は湯水の如く湧き出てきた。そうして何不自由なく育ってきた悠一郎だが、話を聞いているうちに、彼の内面の問題点が浮き彫りになってきた。

「僕の家は、母親が強くて。母が同じ洋服を二度着ている姿を見たことがないですし、実家にはバーキンがゴロゴロ転がっていました。」

(ちなみに、気になるこのバーキンの行く末だが、男子しかいない家庭のため、将来は悠一郎の嫁になる人が貰えるそうだ…)

「まぁ、僕のお嫁さんになれた暁には、という話ですが(笑)」

悠一郎の金銭感覚は、やや常識を超えている。それはどうやら、母親譲りのようだった。


自分の手取りを知らない?あまりにも浮世離れしている彼の生態


「浮気の代償はダイヤモンドで」。そんな母親に育てられた


経営者と結婚する女性は、大きく二つに別れる。

ひとつは、経済力のない時から夢を支え続けており、富や名声を得た後でも変わらぬ質素な生活を貫ける女性。

もうひとつは純粋に財産目当てで近寄った結果、資本に物を言わせて急に羽振りが良くなる女性。

悠一郎の母親は、典型的な後者のタイプだった。

私学の一貫校というのは、子供同士はもちろんのこと、親同士、特に母親のコミュニティーでも夫、あるいは実家の収入でランク分けされる。

悠一郎の実家は学内でもトップクラスの資産を誇った。元々普通の家庭で育ってきた母親は、その優越感に浸れるのがたまらなく快感だったらしい。

彼の母親は、子供から見ても異常なまでにぱっと見で価値がわかるもの、特にブランド物に執着していた。

海外旅行へ行く度に、優に100万を超える鞄を購入し、父親の浮気が発覚するたびに、光り輝く大きなダイヤモンドを手に入れる母親を目の当たりにしてきた。

「父親が他で遊ぼうが、お構いなし。その代りに何かを得られればそれで良しとしている母親に育てられたので、ある意味ドライなのかもしれません。」

子供ながらに、母親はその状況をむしろ喜んでいるようにも見えたそうだ。

「だから未だに、何か問題があったらお金で解決できる、と心のどこかで思っている節もあります。」




あまりにも無欲過ぎる二世くん


そんな母親と仕事人間の父のもと、欲しい物は全て買い与えられて育ってきた。幼い頃から“ゆうちゃんの家はお金持ち”と言われ続け、何かに困った記憶はない。

今働いている総合商社も、“親が勝手に決めてきた”そうで、会社に愛情もなければ、出世欲なんぞ抱いたことすらない。

そんな悠一郎の性格を見越してか、父親は会社を悠一郎に継がせるのは早々に諦め、次男である弟に継がせると決めているそうだ。

本来ならば、長男である悠一郎が継ぐのが筋である。しかし、父親からそう告げられても、本人はどこ吹く風。

「いいんじゃないですか?弟の方が、適任だと思いますし。」

現在、目黒の家賃20万のマンションに暮らしている悠一郎。

驚くべきは、自分の給料がいくらなのかよく知らないと言ってのけたことだ。

「未だに親のカードを使っていますし、生活費はそれで賄ってます。実際の手取り額は...正直、気にしたことがないですね。」

日々銀行通帳と向き合い、給料日を心待ちにしているような一般庶民の思いは、彼には永遠に無縁である...。


親は反面教師なのか?二世くんが女性に求めるものとは?


母親とは真逆の、“質素”な女性が好き


前述の通りの、自己顕示欲と物欲が強い母親の元で育ってきた悠一郎は、現在30歳。結婚に対して、そろそろ本腰を入れて考える歳になってきた。

甘いマスクに、どこかおっとりとした雰囲気を醸し出している悠一郎。そこに潤沢な資産となれば、女性が寄ってこない訳はない。

しかしここ数年間、彼女はいないそうだ。

「小学生くらいまでだと思います。女性が、純粋に僕の人間性だけを見て好きになってくれたのは。社会の仕組みが分かるようになる中学生以降、基本的にみんな僕のバックグラウンドに寄ってくる気がして。」

悠一郎に、女性に求める条件を聞いてみると意外な答えが返ってきた。

「地味な人、ですかね。」

散々華やかな女性たちと遊んできた。しかし彼女たちはあくまでも“遊び”でしかなく、本命には永遠になれぬまま。

「本当は、控えめで質素と言いますか、一歩下がって付いてきてくれるような人がいい。着物が似合う、古風な顔立ちの人が好きです。」

派手な生活を送っている悠一郎だが、女性に対する不信感が垣間見れる。

「そんな女性はいないと分かっているのですが...“一緒にいられるだけでいい”と言ってくれるような女性が、究極の理想です。」

幼い頃から、父親と結婚したことで急に富を手に入れ、他人に対してどこかひけらかすような態度を取っている母親を見てきた悠一郎の、心の闇に触れた気がした。




二世くんの夢は“車屋さん”になること?


呑気で浮世離れしている悠一郎に、将来の方向性を問いただしてみた。

「将来は、会社を辞めて車の輸入販売でもやりたいと思っています。」

断っておくが、現在の悠一郎の担当部署は食品であり、車とは全く関係ない。なぜ、車屋なのだろうか?

「車が好きなので。あと、楽しそうかなと思って。」

生活に困ったことがない人の発想は、時に予想外である。彼の中で、仕事はあくまでも趣味の延長。

今日も悠一郎は親の経済力に守られながら、のらりくらりと東京で暮らしている。

▶NEXT:8月25日 金曜更新予定
母親の夢を継ぐために。息子の熱い思いが作った会社とは

【これまでの二世を狙え!】
Vol.1:「20代でバーキンを持つ女には近付かない」身元を隠し嫁を探す男
Vol.2:親の格差は子の格差。慶應幼稚舎出身でも、実家の資産総額で生じる隔たり
Vol.3:就職活動は、TV局のお偉いさんとの会食。ゆるゆる縁故採用の実態
Vol.4:永遠に越えられない、有名すぎる父。豊かさと引き換えに受け入れた葛藤