大手私鉄であり、日本有数のバス事業者としても知られる西日本鉄道(西鉄)は、2016年8月から運航している「都心循環BRT」のダイヤ改正を8月26日に行うと発表した。

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 都心循環BRTは、福岡市が計画する天神地区再開発計画「天神ビックバン」と連動した公共交通ネットワーク整備の一環として導入されたもの。

 福岡市の都心部である天神地区は、福岡空港から直線で4kmほどの距離にあり、航空法に基づき建築物の高さが67mに制限されていた。国家戦略特区の指定により、高さ規制が76mまで緩和されたことにともない、2024年までに該当地区の30棟のビルを建て替え、延床面積を1.7倍、雇用者数を2.4倍とすることを目標としている。

 ビジネスの集積がすすみ、都心部へのひとの動きが集中することが予想されることから、2015年に、都心循環BRT用の連節バス15台の導入が決定していた。

 連節バスとは、大量輸送を目的として車体を2つ接続したものであり、近年導入例の多いベンツ/エボバス社製「シターロG」の場合、全長が18mを超える。連節バスを利用して定時性を確保し、大量輸送を実現したバス路線をBRT(Bus Rapid Transit、バス高速輸送システム)と呼ぶ。

 福岡市の都心循環BRTは、環境省の「平成27年度 二酸化炭素排出抑制事業費等補助金」に採択され、2016年に2台、2017年は現時点で6台の連節バスが導入されている。

 現在、都心循環BRTは、JR博多駅と天神地区、博多港国際ターミナルを結ぶ循環路線として日中約60便が運行されている。外国人旅客数及びクルーズ船の寄港数が日本一である博多港国際ターミナルは、一般の路線バス以外の公共交通機関が存在していなかった。連節バスの導入により、天神地区およびJR博多駅との結節を見直し、観光客の市内回遊性を高める目的もある。

 今回の改正は、運行を担当するバス営業所2拠点からの回送(送り込み)を営業運転化するものである。西鉄では、これにより朝夕の乗客の利便性・快適性の向上をはかるとしている。

 都心循環BRTは、日本唯一の複数営業所による連節バスの共同運行としても注目されている。また、連節バス車両本体についても、製造メーカーが混在している点で、特異なものとなっている(那珂川営業所はボルグレン/スカニア社製4台。愛宕浜営業所はベンツ/エボバス社製「シターロG」1台とボルグレン/スカニア社製3台)。

 なお、運行は主要バス停のみに停車する「特快」運用とし、各営業所から朝4便、夕2〜3便が設定される。料金は通常の路線バスと同じで、定期券や各フリー券(企画乗車券)も使用できる。