GKを幻惑する変化球でのシュートで先制ゴールを奪ったアセンシオ。スーペルコパでは、巧く、速く、力強く、そしてプレーに迷いがなかった。 (C) Getty Images

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 8月13、16日(現地時間)に行なわれたスペインのスーペルコパ(スーパーカップ)。合計スコア5-1という意外なほどの大差でレアル・マドリーが宿敵バルセロナを下したが、この2試合で見事な活躍を見せたのが、FWのマルコ・アセンシオだった。

 第1戦ではゴール上段をぶち抜く強烈なシュートでチームの3点目を決め、第2戦ではGKを避けるような鮮やかなミドル弾で先制点を挙げて、マドリーの勝利に大きな貢献を果たした。
 
 ゴールシーン以外でも、高い技術、スペースへの走り込み、判断力の良さでバルサ守備陣を翻弄し、存在感を存分に示したアセンシオは、今回のスーペルコパを「忘れられない思い出になるだろう」と振り返っている。(マドリーの公式サイトより)
 
 クリスチアーノ・ロナウドの不在を全く感じさせず、さらにはマドリディスタに新たな希望を与えた21歳のスペイン代表FWだが、彼はマジョルカでプレーしていた3年前の夏、マドリーではなく、その宿敵であるバルサへの入団がほぼ決まりかけていた。
 
 当時、マジョルカはアセンシオの譲渡に450万ユーロ(約5億8000万円)の一括払いを要求したが、バルサ側は250万ユーロ+出来高200万ユーロというかたちを主張。交渉が難航するなか、その間隙を縫ってマドリーが390万ユーロ(約5億円)を提示し、この逸材を手中に収めた。
 
 当時からアセンシオの代理人を務めるオラシオ・ガッジョーリは「バルサは、マジョルカの提示額に『そんな額は払えない』と言った。それで、彼らのチャンスは失われた。その3か月後、バルサは考えを変えたが、時すでに遅しだった」と語っている。(『Bleacher Report』より)
 
 また、ガッジョーリ代理人は「マドリーのオファーは、金額面はもちろん、サッカーの見地からも、バルサのそれより20倍は良かった」とも付け加えている。
 
 ちなみにアセンシオは当時、過去のSNSの投稿などから、カタルーニャの新聞『ムンド・デポルティーボ』にバルサ・ファンだと紹介されたこともあったが、代理人によると、このマジョルカ出身の青年は、子どもの頃からマドリー・ファンだという。
 
「なかでも(ジネディーヌ・)ジダンのファンで、自分の部屋に巨大なポスターを貼っていたほどだ」
 
 自身はスペイン人の父とオランダ人の母のあいだに生まれたハーフで、オランダの歴史的ストライカー、マルコ・ファン・バステンにちなんでマルコと名付けられたアセンシオ。現在のボスである憧れのジダン同様、決定的な仕事を果たす選手に成長した。
 
 そんな彼の躍動する姿を、一敗地にまみれたバルサは、果たしてどのような思いで見つめていただろうか……。