(写真提供=SPORTS KOREA)

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昨年、世界最大級の旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」(Trip advisor)は、「全世界の国で観光客がやるべきたった1つのこと」を紹介しながら、韓国では「ソウルの地下鉄に乗ってみる」ことを勧めた。

また、米国のニュースサイト「ビジネスインサイダー」(BUSINESS INSIDER)は、2015年12月10日に配信した記事で「騒音と事故の予防にもなるスクリーンドア」や、「無料Wi-Fiサービス」など、ソウル地下鉄の施設を好評。米国旅行サイト「ワンダーウィズダム」(WanderWisdom)も昨年5月、「弱冷房車を運営するところが魅力的」と、ソウルの地下鉄をアジア4大メトロの1つとして紹介している。

このように世界から絶賛されるソウルの地下鉄。悪臭に悩むニューヨークの地下鉄や、駅でエレベーターが見つけづらいロンドンの地下鉄に比べると、確かに快適で便利かもしれない。

ドア全開で“狂乱の疾走”

ところが、旅行者にはなかなか分かりづらいソウル地下鉄の“裏の顔”をご存知だろうか。

去る15日、ソウル地下鉄8号線では、ドアが開いた状態で6駅を運行するという前代未聞の事態が起きた。

問題の車両には乗客が10人ほど乗っていたが、ドアが故障したとのアナウンスもなく、そのまま約20分間走っていたという。

当日は雨が降っていて床が滑りやすくなっていた上に、開いたドアからは服がなびくほど強い風が吹き込んでいた。電車が“狂乱の疾走”を続ける間、乗客たちは恐怖に震えながら過ごしたそうだが、幸いけが人はいなかった。

トラブルは日常茶飯事

ただ、機関士がドアの故障に気づいていなかったわけではない。

ドアが故障した直後、機関士の連絡を受けたコントロールセンターは修理班の職員をすぐさま電車に搭乗させた。しかし、それで問題が解決したと思った機関士は、その後の状況も確認せずに運行を続けたのである。

そもそも、電車のドアが故障した場合は、乗客を全員下車させ、電車を回送させるのがソウル地下鉄の運営規則。

ソウル交通公社は今回の騒動について「明らかな安全マニュアル違反だった」と認め、担当の機関士に適切な処分を下すと明かした。

ソウル地下鉄ではこういったトラブルが日常茶飯事である。

先月には、5号線が急に停車し、轟音とスパークを起こすという緊急事態が発生したが、機関士からのアナウンスはなく、乗客たちが電車に閉じ込められたこともあった。

パニックになった乗客たちが自ら非常開閉装置を操作して降りたため大事には至らなかったが、惨事につながる可能性は十分あった。

昨年5月、ソウル地下鉄2号線九宜(クウィ)駅でスクリーンドアの整備をしていたキムさん(19歳)が、駅に進入してきた電車にはねられて亡くなった事故は今も記憶に新しい。19歳という若さに加え、その日はキムさんの誕生日の前日だったこともあり、韓国中が大きな衝撃に包まれていた。

最先端技術で出来ているとはいえ、トラブルや事故にはしっかり対処出来ていないソウル地下鉄。一刻も早く改善する必要がありそうだ。

(参考記事:駅員暴行、不正乗車は当たり前!? ソウル地下鉄の駅構内トラブルが急増中

(文=S-KOREA編集部)