スバル・WRX STI タイプRA NBRスペシャル(写真: SUBARUの発表資料より)

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 「スバル・WRX STI タイプRA NBRスペシャル」がドイツ・ニュルブルクリンク北(オールド)コースで、ドラッグリダクションシステム(DRS)と呼ばれるウイングのダウンフォース(車を下向けに押し付ける力)をコントロールして、セダン最速の称号を手にした。

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 ドイツ・ニュルブルクリンク北(オールド)コースでは数々の車が挑戦して記録を残してきた。1週20kmを超える長大なコースでの挑戦は、車の性能を極限まで試される「タイムアタック」と言えるだろう。

 6分57秒5の記録はカウンタックやGT-Rの公道車の記録を上回っている。「NBRスペシャル」の名のごとくWRC(世界ラリー選手権)仕様を元にチューニングして、最高出力600馬力、最高速度288km/hと言われ、チューニングカーであることを証明している。セダンでなく空気抵抗が低いクーペ形状であれば、もっと伸びるのであろう。しかし、そのハンディを乗り越えて7分を切るとは、スバルの示したいのは、荒れた路面やアップダウンのきつい過酷なコースを走り切る、フルタイム4WDの効率のよさであろうか?

参考: F1解説講座その1:『DRSってなに?』(Youtube)

 「スバル・WRX STI タイプRA NBRスペシャル」に取り付けられていたドラッグリダクションシステム(DRS)とはF1レースのウイング制御機構で、カーブでダウンフォースを強め、直線で空位抵抗を(リダクション)弱めて、トップスピードを稼ぐシステムだ。

 かつて、F1では固定のウイングしか認められていなかったため、トップスピードとコーナリングスピードとの兼ね合いで、調整が難しい問題だった。エンジン出力が大きなチームは、ダウンフォースを稼ぐためウイングを立て、エンジン馬力が低いとトップスピードを稼ぐため、ウイングを寝かして固定していた。このセッティングとドライビング技術は、かつて故セナとマンセル、マクラーレン・ホンダとウィリアムズ・ルノーが、モナコグランプリで見せた、激しいトップ争いの陰の主役だった。

 DRSシステムを取り入れると、ウイングの後ろのフラップの部分を、直線でウイング本体と切り離して空気を流し、ウイングの抵抗をリダクションしてしまう。コーナーではフラップを戻し、ダウンフォースを十分に得ることが出来る。安全にも良いことだし、燃費も良くなる。

 車では100km/hあたりから空気抵抗がエンジン馬力の半分以上を消費するようになり、200km/hを超えるあたりから空力の問題が走行性能、燃費を左右すると言って良い。そのため高速道路をよく使う人は、ワンボックスではなく出来る限り、全面投影面積の小さな車体を選ぶことをお勧めする。

 「スバル・WRX STI タイプRA NBRスペシャル」のドイツ・ニュルブルクリンク北(オールド)コースでのタイムアタックは、スバル車の潜在的能力の高さを証明するものだ。