試合中の障害にはトレーナーがいち早く対応する(提供:立命館大学)

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 スポーツの現場で、けがの予防や応急措置、リハビリの指導などを担当するトレーナーの重要性が高まっている。トレーナーといえばマッサージやテーピング、ウオームアップ、クールダウンの指導といったイメージでとらえられがちだが、そこからさらに踏み込み、選手が健康な状態で練習や試合に臨めるよう、監督、コーチと連係して選手をサポートするアスレティックトレーナーが、必要不可欠な存在になってきた。米国では、ATC(Athletic Trainer Certified)と呼ばれ、全米アスレティックトレーナー協会から資格が、米国医学会から準医療従事者として認定されている。

 ATCの資格を得るには、公認のカリキュラムを持つ米国の大学を卒業する、もしくは大学院で修士を修了する必要がある。日本人が資格を得るには留学が必須で、短くても7、8年は掛かる。これを日本と米国の大学の提携により期間短縮を図ろうというのが、立命館大学スポーツ健康科学部のGAT(グローバル・アスレティック・トレーナー)プログラムだ。

 GATプログラムの特長は、…名錣領嘘悗茲蠅眞惨間で修士号の取得が可能になる学部在学中に大学院進学に必要な科目の履修が可能になるプログラム参加希望学生を包括的に支援する―など。在学中の4年生前期までに卒業に必要な単位を履修し、後期から提携するペンシルベニア州立大ESUの修士に進む。順調に修士課程を終えると、合計5年数か月で終了となる。従来の方法より期間を短縮することで学費の負担も全体として軽くなる。

 このプログラムを有効に生かすためには学生自身の努力も相当必要になる。特殊講義の履修、英語で専門知識やスキルを学ぶハワイ大学でのインターン、何より大学院レベルの授業を理解できる英語力のアップなどだ。現在、GATプログラムでペンシルベニア州立大に進んだのは一人。この学生は立命館大在学中、かなりの時間を英語の勉強に割いたという。

 日本人でATCの資格を持つ人は、国内登録数で262人(2017年6月末現在)。海外で活動している人も多い。日本のプロ野球やバスケットボールBリーグなどのプロをはじめ、ラグビー、アメリカンフットボール、高校野球などのチームでもATCが指導に当たっている。NBA(米プロバスケットボール)やNFL(米プロフットボール)のチームにも日本人トレーナーが在籍している。やかんに入れた水を患部に掛ける「魔法の水」の時代は終わり、専門知識を持つトレーナーが指導することで、障害は大幅に減っている。

 立命館大スポーツ健康科学部は、GATプログラムの詳細や同学部の指導方針などについて、8月上旬、東京都内の立命館東京キャンパスでセミナーを開いた。伊坂忠夫学部長は、スポーツを巡るさまざまな課題のうち、次の3点を重要な課題として挙げた。.▲好蝓璽隼抉膈▲好檗璽弔凌橋週擇咾修譴鯆未犬臣楼莠匆馘への還元0汰幹浜の徹底。特にの安全管理は、単に指導者が注意を払うだけでなく、この分野の責任を担える人材育成が急務とされ、そのための有効な手段としてATC育成を強調した。選手が健康な状態で競技に取り組むことができれば、科学的根拠に基づいた戦略的アプローチが可能となり、それがチームの強化につながり、勝利へ近づく。トレーナーの存在意義は今後、ますます高まり、21世紀型の専門職という見方もできるだろう。

 立命館大学スポーツ健康科学部の概要及び入試情報については、ホームページで確認できる。