人生100年時代へ。何にでも挑戦できる気がしませんか?(写真はイメージ)


 ロンドン・ビジネススクールの2人の教授、リンダ・グラットンとアンドリュー・スコットが執筆した『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』(東洋経済新報社)という本が話題になっています。

『』(東洋経済新報社)


 副題は「100年時代の人生戦略」。平均寿命が延び、少なからずの人が100歳まで生きるようになる時代には、80歳程度の平均寿命を前提に「教育」「仕事」「引退」という3つステージに分けて考えてきたこれまでのライフコースを抜本的に見直す必要が出てきます。若い時に教育を受け、仕事をし、そして60〜70歳位で引退するという“定番”の人生の設計図は崩れ去る、ということです。人生100年時代には、いちど引退してから仕事に復帰したり、「教育→仕事→引退」のサイクルを何回も繰り返したりするなど、直線的ではない柔軟な人生戦略が必要になるということを、この本は訴えています。

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“柔軟”すぎる私の人生

 私は、大学在学中に始めた女優を、就職せずにそのまま続けて挫折。MBA留学して一種のキャリア・ロンダリングをして会社勤めをするものの、1つの会社に長くいることができずに転職を繰り返し、勤めたのは計6社。しかもその途中にシナリオライターを目指した時期もあり、結局、今はエグゼクティブコーチとして独立しています(ちなみに6年くらい経ったので、まあまあの記録です)。

 そんな“柔軟”すぎる人生を送っている私なので、ライフ・シフトの考えはぜひ広まってほしいと思います。そうすれば、みんな生きやすくなるだろうなあと感じます。

 転職活動した時、よく「あなたのキャリアにはどんな一貫性があるのか」と説明を求められたのですが、一貫していたのは、置かれた状況の中で一番やりたいと思ったことをやっただけ、つまり「自分の心の声に従った」ことだけでした。だから、「一貫性なんて説明できないよ! 説明したって分かってもらえないだろうし・・・」と心の中で毒づいていたものです。

 人生二毛作、三毛作、そして二股・三股が普通になる世の中っていいなって思います。

 私のような考え方を持つ人は、もちろん少数派だと理解しています。大学を卒業したら、つぶれなさそうな会社に入って、そのまま定年まで働き、その後は年金で暮らす──そうした人生が当たり前だと思っている人が、いきなり「ライフ・シフトだよ」と言われても、困惑するだけでしょう。

 でも、人生二毛作、三毛作、二股・三股も当たり前の世の中になったら、ずっといろいろなことに挑戦できるようになるはずです。「失敗しても平気じゃん」と開き直れますし、選択肢も広がります。

5年前の自分を思い出してみてください

「もう、この歳になったら無理だよ」と考える人もいるかもしれません。

 そんな人に、いつも投げかける質問があります。

「5年前の自分を思い出してみてください。若くないですか? いろいろ可能性があると思いませんか?」

 こう質問されると、皆さん、うなずかれます。

 続けて「でも、その当時、自分のことを『もう歳』だって思ってませんでしたか?」と尋ねると、「そうでした!」と答えられます。

 そこで、「5年後のあなたが今の自分をみたらなんと言うでしょうか?」と再び尋ねます。すると、20代だろうが、50代だろうが、皆さん同じように納得してくれます。

高齢の店員も増えてきた

 アメリカに留学していた時、マクドナルドに入ったら、店員がものすごく高齢のおばあさんでした。おそらく80歳以上だったのではないかと思います。

 その時、私は「こんなに年とっても働ける場があるのって、いいなあ」と思いました。その頃の日本のマクドナルドの店員は、ほとんどが学生でしたから。

 最近は、日本のファストフードやコンビニでも、高齢の方を見るようになりました。そうした光景は、私に勇気を与えてくれます。私は死ぬ直前まで働いて、年金を返上することが理想です(ずっともらわないわけではなく、せめて年によっては「来年は返上します」と言いたい)。

 誰もが自分で好きなようにキャリア・人生を設計できる時代が来たんだから、ぜひ積極的に楽しみたいものです。

筆者:和気 香子