トランスジェンダー&パンセクシュアルの両親の子育てとは…(画像は『Metro 2017年8月13日付「Transgender and pansexual parents are raising their child as gender-fluid」(Picture: Mark Pinder)』のスクリーンショット)

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LGBTQという言葉が世間に浸透するようになってから、ジェンダーニュートラル(性的区別のない人)という表現も耳にしたことがあるのではないだろうか。このほどイギリス初の“性別が流動的な(Gender Fluid / ジェンダーフリュイド)”ファミリーを、英メディア『Mirror』や『Daily Record』『Metro』が伝えている。

ルイーズ・ドレイヴンさん(31歳)とニッキーさん(30歳)はトランスジェンダーとパンセクシュアルのカップルだ。2011年、ニッキーさんが自身をレズビアンと称していた頃、LGBTの会合で当時まだ男性だったルイーズさんに出会った。

男性として生まれたルイーズさんは8歳頃から自分を女の子だと思うようになり、ニッキーさんと出会って以降、ホルモン治療により女性として生活するトランスジェンダーだ。一方、ニッキーさんは女性として生まれたが、性別にとらわれず性的・感情的・精神的に全ての人と恋に落ちることができるパンセクシュアル(全性愛)で、普段は男女両方の服装をして生活している。

2012年1月に無宗教儀式で結婚した2人には、現在4歳になる息子スター=クラウド君がいる。ニッキーさんとルイーズさんは我が子に「いつも男の子でいる必要は全くない」と言い聞かせており、性区別のないジェンダーニュートラル、もしくは単なる「人」として育てている。

スター=クラウド君は、生物学上の父であり女性として暮らすルイーズさんを「ママ」と呼び、出産したニッキーさんを「ダディ」と呼んでいる。2人は我が子のことを話す時「He」「him」という言葉を使うが、それで性区別しているわけではないと言う。

ニッキーさんの両親は孫を無性別として育てる自分の娘への理解に苦しんだようだが、今は孫が幸せであることを知っているため見守っているようだ。ニッキーさんは「私たちはごく普通の人間で、なりたいようになって生きているだけです」と話し、子育てに関してもこのように語っている。

「私たちは、スターにメイクやネイルを自由にしてもいいし、望むなら人形遊びもしていいと話しています。スターは、バービー人形も好きで女の子のようにおめかししたりすることも好きですが、レゴや車など男の子のおもちゃも好きです。私たちは自分の子供を男女の区別なく育てたいと思っています。スターにはなりたい人間になればいいといつも話していて、自分を男の子だと思うようにと話したことは一度もありません。何を着たいか、どんなおもちゃが欲しいかというのはスターに任せていますし、性別が明らかになるような服は一切買い与えていません。スターはジーンズもはきますがレギンスも好きで、ピンクは好きな色の一つなんです。」

スター=クラウド君は9月から小学校へあがる。男児用の制服を着ることになるが、ピンクのベストと靴下を履く予定なのだという。社会でLGBTQが認識されているとはいえ、まだまだ世間の風当たりは冷たくいじめの対象にもなりがちだ。ニッキーさんとルイーズさんは、スター=クラウド君が保育所に通っていた頃に世間のプレッシャーを経験することになったと明かす。

「スターは男の子だから、女の子の遊ぶ人形で遊んじゃダメだと言われたんです。だから私たちは『そんなことはない。誰でも人形で遊ぶことができる』と説明しました。こうした経験は、スターが成長した時のためのいい試練だと思っています。もちろん、子供をジェンダーニュートラルとして育てることに対して、周りはどう思うだろうか、何か問題にならないだろうか、スターがいじめられないだろうかという不安はあります。でも新しい学校は、無性別の人への理解を示してくれているようで、サポートできることがあればしたいと言ってくれています。」