『コブラ』といえば、左腕のサイコガンをぶっぱなし、海賊ギルドと戦うSFアクションの印象が強いが、寺沢武一氏が選ぶシーンは少し印象が違う。

「コブラが “ラグ・ボール”(アメフトと野球を組み合わせた架空のスポーツ)でホームラン宣言をする場面は、1932年のヤンキース対カブス戦で起きたベーブ・ルースの逸話をもとにしています。彼は、カブスファンの野次にのまれずに、予告ホームラン。それを本当に実現してしまうのです。感動しましたね」

 つねに心動かす表現を求めた寺沢氏は、同作で作画にエアブラシを導入。さらに新連載の『黒騎士バット』で、作画にパソコンを取り入れた。

「新しい試みに、最初はみんなポカンとしていました。ドラクエシリーズの堀井雄二さんだけは熱心に話を聞いてくれたのを覚えています」

 2018年で、『コブラ』誕生40周年。サプライズ企画を準備中とのことだ。

『コブラ』
(週刊少年ジャンプ1978年〜1984年連載)

てらさわぶいち
1955年北海道生まれ 1977年「大地よ、蒼くなれ」が手塚賞佳作に入選して注目される。1978年に「週刊少年ジャンプ」で『コブラ』を連載開始。代表作に『黒騎士バット』など
(週刊FLASH 2017年7月25日号)