北極圏に位置するノルウェーのバランゲンに世界最大のデータセンターを建設する計画が発表されました。

Public meeting in Ballangen & signing of contract for the development of the Kolos data center - Kolos - Green Energy Data Center

http://kolos.com/public-meeting-in-ballangen-signing-of-contract-for-the-development-of-the-kolos-data-center/

Record-sized data centre planned inside Arctic Circle - BBC News

http://www.bbc.com/news/technology-40922048

建設プロジェクトを主導する「Kolos」は、北極圏にデータセンターを構築することで、「冷たい空気と豊富な水力発電がエネルギーコストを抑えるのに役立ってくれるだろう」とその利点を語っています。

Kolosが建設予定のデータセンターの完成イメージモデルは以下の通り。



ムービーで見ると以下のような場所になります。

30sec Presvideo - YouTube

データセンターの敷地面積は60万平方メートルで、建物は4階建てになる予定。記事作成時点での世界最大のデータセンターは中国・廊坊市にあるデータセンターですが、これよりも大きくなる見込み。ただし、現在アメリカのネバダに建設中のデータセンターの最終計画よりはわずかに小さいとのこと。

近年、ノルウェーではEUと政府が水力発電プロジェクトに力を注いでおり、大きなダムを建設するための投資を行ってきました。そういった背景もあり、データセンターを建設する予定のバランゲンは、「文字通りヨーロッパで最も電力コストが低く、電力の100%が世界で最も安定したグリッドで再生可能である」とKolosの共同執行役員であるマーク・ロビンソン氏は説明しています。

Kolosはすでにノルウェー国内の民間投資家から数百万ドルを調達しているそうで、残りの必要資金はアメリカの投資銀行から調達する予定としています。また、データセンターの最大消費電力は約70MW(メガワット)とする予定となっていますが、10年以内に1000MWまで引き上げることも計画しているそうです。

Amazonのデータ処理部門ではすでにバーニジア州アシュバーンに約1000Mの電力を供給していると考えられていますが、サーバーは単一のデータセンターに集約されているのではなく、地域全体に広がるように設置されているそうです。また、Facebookが2013年からスウェーデンのルレオで運営する巨大データセンターでも、電力は120MWに制限されており、世界の大規模なデータセンターでも消費電力は200MW未満に収まることが多いそうです。それに対して、Kolosのデータセンターは単一で消費電力1000MWを目指しているというわけなので、いかに巨大な施設になる予定であるかがよくわかります。



By Robert Scoble

他にも、バランゲンにデータセンターを建設する理由について、「地球上の自然に寒く、理想的な湿度の地域は、空調なしでサーバーを冷やしてくれます。さらに、二次冷却源として新鮮できれいな冷水を無限に使用できます。また、近くにある大学は年間約200人の技術系学生を輩出しているので、その中の数名を採用する考えもあります」と語るロビンソン氏。

すでにKolosは地元の市長5人から建設計画の支持を得ており、ノルウェーの気候環境担当大臣であるビダール・ヘルゲッセン氏も公開会議に参加予定となっています。ヘルゲッセン氏はBBC Newsに対して、「我々は多くのプロジェクトで成果を挙げたいと考えており、Kolosのプロジェクトも支持しています。ノルウェーでのデータセンター建設を歓迎するために、関税を引き下げてもいます」と述べたそうです。

なお、大規模すぎるようにも感じるKolosのデータセンターについて、Gartnerの技術コンサルタントであるデビッド・グルーブリッジ氏は、「データ圧縮技術で急進的なアイデアがない限り、こういった類いの施設が提供するリソースは必要になるでしょう」と技術革新がない限り必要とされる施設であると語っています。