現役、または一線を退いたプロアスリートたちの声を直接伝えるオンライン・メディア『プレイヤーズ・トリビューン』に、ボルシア・ドルトムント所属のヌリ・シャヒンが寄稿。ドルトムント時代やレアル、リヴァプール時代などこれまでのキャリアについて振り返るなかで、昨年起こったバス襲撃事件についても言及した。

「爆発したあの瞬間。それはまるで、スロービデオのようだった。一体何が起こっていたのか。まったく理解できていなかったよ。僕は凍りついてしまっていた」

そう振り返ったシャヒンは、さらに「たぶん実際には2秒くらいの出来事だったんだろうけど、でもその間で自分のこれまでの人生が走馬灯のように駆け巡って行ったんだ」と言葉を続けている。

だが現実の世界に再び戻ったシャヒンが目にしたもの。それはひどく流血したマーク・バルトラの姿だった。「彼の目をみたその瞬間を、僕は忘れることはないだろう。周りは暗闇に包まれており、とにかく恐ろしさを感じていた。」

そしてその後にシャヒンは、スペイン後でバルトラの妻に病院へ向かったことを説明したのだが、シャヒン自身もあまりの衝撃で動揺しており「とにかく呼吸をするように意識していた」という。

まもなくしてシャヒンは、妻や子供達、家族が待つ自宅へと帰宅した。

「そのとき、僕はしばらく彼らをみつめていたよ。そして涙が溢れ出てきたんだ。これまでにないくらい、たくさんの涙が・・・。僕は娘を強く抱きしめ、そして思ったんだ。なんて幸せなんだ、なんて幸せなんだ、なんて幸せなんだ・・・と」

その後にバルトラを見舞うためカストロ、シュメルツァとともに病院へと向かったシャヒンは、そこでの待合室で事件の概要や、どのような対応が行われているか、そしてドルトムントとモナコのファンたちが互いに励まし合い支え合ったことなどをはじめて耳にしている。

「クラブやここの人々がみせていたもの。それは本当に、心から誇りに思えるものだ」と述べ、「彼らはいま、起こっていることについてしっかりと理解していた、そしてサッカーよりも大切なことがあるということも。それが何よりも僕が、あの4月11日に起こったことから言えることだと思う」と綴った。