鬼束ちひろ、15年ぶりの全国ツアーファイナル公演をWOWOWで独占放送

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 鬼束ちひろが、15年ぶりとなる全国ツアーの最終公演を8月20日にWOWOWで独占放送が決定し、放送に先駆けてライブレポートが到着した。

 中野サンプラザで行われた本ツアーの最終公演はいかに彼女が求められ続けていたかを痛感する内容となっていた。

 会場が緊張感に包まれる中、最新アルバム冒頭の「good bye my love」で幕を開けた。海の底を思わせるような青い光の中を、情感たっぷりに歌う様で一気に観客は彼女の世界観に引き込まれてしまう。続く、「碧の方舟」では明るいストリングスのサウンドに心を揺さぶる感情を言葉に乗せて、切々と歌い上げた。かと思えば、「BORDERLINE」では、床に突っ伏すなどして怒りをぶちまけるように絶叫。凄味さえ感じさせる彼女の全身を使った表現は、あまりに濃密でリアルだ。

 ノスタルジックなバラード「蛍」では無数の光が会場を飛び交い、刹那な夏の宵の風景が目の前に繰り広げられた。愛に溢れた言葉が温かい「流星群」では、リズムに体を揺らしながら歌う柔和な表情が印象的だった。

 流麗なストリングスやパーカッションが耳を心地よく撫でるなか、彼女が紡いだ物語を、歌声とともに手や足も動かし、全身で笑いや嘆き悲しみを表現する様は、音楽ライブという概念に囚われない新しい表現のようにも見えた。

 後半になるにつれ、パフォーマンスはますます熱を帯びていった。ハードで荒々しいロックナンバー「X」では、腕を何度も振り上げながらパワフルに絶唱。彼女が最新アルバムの中でもっとも印象深い曲として語ったこともある「弦葬曲」では、歌詞を体現するようにひざまずく姿を見せ、弦楽器とピアノの優しい音色がより切なさを際立たせていた。

 「月光」では、シンプルなサウンドを従えて力強く独白するような歌声が胸を打った。青白い満月を思わせる照明と重なり、なんとも幻想的なシーンとなった。
 
 ラストに選んだ「火の鳥」は、悲しみを抱えながら再生する姿を歌ったもので、希望の光を感じられる楽曲だ。「貴方に届け」と柔らかく歌いかける言葉こそ、鬼束が伝えたかった思いだったのだろう。

 MCなし、アンコールなしで歌い切った彼女がカーテンコールで見せた笑顔は、あふれる思いを歌に乗せて届けられたという彼女自身の確かな手応えだったに違いない。

 またこの模様は、8月20日夜9:30よりWOWOWにて独占放送する。


◎番組情報
『鬼束ちひろコンサートツアー2017「シンドローム」』
2017年8月20日(日)夜9:30放送 WOWOWライブ
収録日:2017年7月12日/収録場所:東京 中野サンプラザ
ダイジェスト映像:http://www.wowow.co.jp/music/onitsuka/