アイサイトのステレオカメラ(写真: SUBARUの発表資料より)

写真拡大

 AIによる「自動運転」が注目されているが、緊急時ブレーキはその効果を示して事故を急速に少なくしているようだ。

【こちらも】限りなく“レベル2”の自動運転に近い「アイサイト」、大幅進化版登場

■運転支援システムの効果

 「アイサイト」をいち早く製品化して搭載してきたスバルでは、「アイサイト搭載車は非搭載車に比べて追突事故率が84%減少」「2010年度から2014年度に国内販売したスバル車の人身事故件数は8割減少」などと公表、宣伝している。

参考:【スバル・インプレッサアイサイトver.3(1)〜(5)】運転支援システム(知恵の輪サイト)スバル アイサイト搭載車の事故件数、非搭載車の6割減…追突事故は8割減(Resuponse)

■運転支援システムによる「注意散漫事故」増加

 一方で、アメリカ高速道路安全保険協会(IIHS)によると、アメリカ国内での交通事故による死者が14%増加しているが、その原因の中に「不注意」が入っていると警告している。

 運転支援システムが「運転手の注意散漫を招き、スマートフォンなどの操作に向かわせている可能性がある」と言うのだ。せっかく装備された運転支援システムだが、かえって事故を招きかねない運転をさせてしまう懸念が大きい。注意散漫を呼ぶようだ。  参考:車のロボット化で人間のスキルが低下、自動車各社は競って対応(Bloomberg)

 人間の癖として、余裕があると、どうしてもその余裕を使ってしまう。これから日本でも運転支援システムに頼って、注意散漫の事故が増えるのかもしれない。

 日本の高速道路では100km/hのスピード制限が通常だ。カーブは120km/hが通常設計速度だが、箱根越えなどのカーブではスピード制限は80km/hとなっている。実際には140km/hで走っていても車側の準備があれば、危険を感じるほどのことではないようだ。しかし、制限速度を120km/hなどとしてしまうと140km/hまで日常的に使ってしまう人が増えて、状況によっては危険が大きくなってしまうのだ。

 100km/hの制限速度でも120km/hぐらいまで使わないと、追い越しは時間がかかり、かえって危険と感じるときもある。標準的な走りをしていても120km/hまでは使ってしまっている。つまり設計速度いっぱいまで使っていることになる。

 運転支援システムがあると頼る心が起きて、スマホなどを使うことにも危機感がなくなり、危険な場面を起こしてしまう気持ちは分らなくはない。「人間の性」とは、さようなもののようだ。早く「完全自動運転」に移行するようにしてほしい。「運転支援システム」を使う期間を極力短くすることが必要なようだ。「人間の性」は補いようのないこともあり、「完全自動運転システム」の登場までは「運転支援システム」の販売のあり方も検討したほうがいいかもしれない。さもないと「運転支援システム」は、危険の伴うユーザーによる「路上運転試験」をしていることにもなりかねない。