スペインのみならず欧州サッカー界で常に注目の的となるR・マドリー(上)とバルサ(下)。熾烈なライバル関係にある両者は移籍金額でもほとんど肩を並べている。 (C) Getty Images

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 リーガ・エスパニョーラとチャンピオンズ・リーグの王座をかけて火花を散らしているレアル・マドリーとバルセロナ。スペイン紙『マルカ』は現地時間8月15日、そのスペイン2大クラブが2013年から補強に投じてきた金額が、それぞれ5億ユーロ(約640億円)を超えたと報じた。
 
 この5年の間に両クラブが獲得してきた選手は、メガクラックと呼ぶにふさわしい選手たちが少なくない。R・マドリーはウェールズ代表FWのガレス・ベイルやコロンビア代表MFのハメス・ロドリゲス(現バイエルン)に、バルサはネイマール(現パリSG)やルイス・スアレスという南米サッカーを代表するストライカーの獲得に、それぞれ巨額を費やしてきた。
 
 同紙によると、過去5年でR・マドリーが5億570万ユーロ(約647億3000万円)で、バルサは5億910万ユーロ(約651億6000万円)と、ともに5億ユーロを越える金額を投じているという。放映権マネーで潤うプレミアリーグ勢と並び、まさにメルカートの主役を演じてきたのだ。
 
 今夏の移籍市場では、パリ・サンジェルマンが2億2200万ユーロ(約284億円)で、バルサからブラジル代表FWのネイマールを獲得したことが大きな話題を集めた。昨夏のポール・ポグバ(ユベントス→マンチェスター・ユナイテッド)に続き、2年連続でサッカー史上最高額が更新されている事実が証明しているように、近年の移籍市場は高騰の一途。この夏もスペインの2大クラブは小さくない金額を投じてきた。
 
 R・マドリーは弱冠16歳のブラジル人FWヴィニシウス・ジュニオールをフラメンゴから獲得するのに、4500万ユーロ(約57億6000万円)を費やしている(チーム加入は18年夏以降の見込み)。
 
 一方のバルサも、ベンフィカからサイドバックのネウソン・セメドを獲得するために3050万ユーロ(約39億円)を投じ、さらに8月14日に広州恒大との合意が発表されたパウリーニョにも4000万ユーロ(約51億2000万円)と、大枚を叩いている。

 さらにバルサはフィリッペ・コウチーニョ(リバプール)やウスマンヌ・デンベレ(ドルトムント)、マドリーはキリアン・エムバペ(モナコ)への巨額投資が噂されるなど、今夏の投資額はまだまだ膨れ上がりそうだ。
 
 移籍金額が上がれば上がるほど、メディアやファンなど周囲の期待も高まり、ひいてはプレッシャーも増していく。今夏に世界屈指の名門クラブが大金で確保した選手たちは、そのハードルを越えて活躍できるだろうか――。
 2013年以降の両クラブの補強と移籍金は以下の通りだ。(※数字はマルカ紙によるもので、日本円は現レートで換算)。
 
[レアル・マドリー] 
◎2013年
ダニエル・カルバハル(650万ユーロ=約8億3200万円)
カゼミーロ(600万ユーロ=約7億6800万円)
イスコ(3000万ユーロ=約38億4000万円)
アシエル・イジャラメンディ(3900万ユーロ=約49億9000万円)
ガレス・ベイル(9100万ユーロ=約116億4800万円)
 
◎2014年
トニ・クロース(2500万ユーロ=約32億円)
ハメス・ロドリゲス(7500万ユーロ=約96億円)
ケイラー・ナバス(1000万ユーロ/約12億8000万円)
マルコ・アセンシオ(370万ユーロ=約4億7000万円)
 
◎2015年
ダニーロ(3150万ユーロ=約40億3200万円)
カゼミーロ(買い戻し、750万ユーロ=約9億6000万円)
ルーカス・バスケス(買い戻し、100万ユーロ=約1億2800万円)
キコ・カシージャ(600万ユーロ=約7億6800万円)
ヘスス・バジェホ(600万ユーロ=約7億6800万円)
マテオ・コバチッチ(2800万ユーロ=約35億8400万円)
 
◎2016年
アルバロ・モラタ(買い戻し、3000万ユーロ=約38億4000万円)