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改めて述べるまでもなくHTML(HyperText Markup Language)はWebページを構成する形式言語である。1989年の考案以降、機能や表現性を高めるため、長年バージョンを重ねてきた。HTMLの策定はWeb技術の標準化団体であるW3C(World Wide Web Consortium)が管理し、現在は2014年10月に勧告したHTML5(2016年11月にはHTML 5.1を勧告)が広く使われている。

HTMLのバージョンを重ねてきた理由は多数あれど、その1つにはWebアプリケーションのリッチ化が大きい。社内業務などで利用するアプリケーションは以前ならば、Windowsなど特定のOS上で動作するのが通例だったが、昨今はWebブラウザー経由で利用するWebアプリケーション、もしくはSaaS(Software as a Service)が標準化しつつある。

1999年頃にはサーバーサイド技術としてJava Servlet(サーブレット)という概念が表舞台に立ち、2005年にはクライアント側のUIを拡張して、リッチなWebアプリケーションを実現するAjax(Asynchronous JavaScript+XML: エイジャックス)が登場した。このようにWeb技術が進化する過程の上でHTML5に至ったのである。

HTML5はデバイスアクセスや3D、パフォーマンスの向上など多くの可能性を持ち、アプリケーションが必要とする機能性も備えた。特にソフトウェアの部品同士が機能を提供するAPI(Application Programming Interface)を供えたことは大きい。HTMLやXML(Extensible Markup Language)を読み込むDOM(Document Object Model)の対応強化など、野心的かつ現在のITを支える技術を積極的に取り込んだ。

このHTML5が生まれた背景は、AppleやMozilla、Operaによって設立したWeb技術のコミュニティ「WHATWG(Web Hypertext Application Technology Working Group)」の存在が大きい。1997年にW3Cが勧告したHTML 4.0は一定の完成度を見せたが、Web技術の進化を積極的に取り込んでいなかった。そのことに不満を覚えたWHATWGがコア部分を設計し、2007年にはW3Cも協力する姿勢に方向転換。このように紆余曲折を経た上でHTML5の完成(勧告)に至ったのである。

WHATWGは今現在も「HTML Living Standard」としてHTMLの最新仕様を議論しており、今後登場するであろうHTMLの新バージョンは、HTML5同様HTML Living StandardをベースにW3Cが勧告することになるだろう。

現状を見渡すと、Web検索1つ取ってもPCではなくスマートフォンを使う利用者の方が圧倒的だ。楽天やYahoo! JAPANはHTML5をプラットホームとしたゲームサービスを開始し、"ポスト・アプリケーション"の地位を確立しつつあるHTML5の存在感は日増しに高まっている。誰しもがスマートフォンやタブレットを利用する時代を迎えた以上、特定OS上で実行するアプリケーションよりも、汎用性が高いWebアプリケーションが重要視されるのは誰の目にも明らかだ。

阿久津良和(Cactus)