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納豆、豆腐、味噌、しょう油...といった「発酵食品」、日頃からよく食べていますか? 昔はよく食べていたけれど、言われてみれば最近はあまり食べてないかも...という人も多いのでは? 万田発酵が全国の男女1800人に調査を行った結果、5年前に比べて「味噌」「しょう油」などの発酵食品を食べる機会が減ったという人が多くいることがわかりました。

実はこうした発酵食品の摂取不足が秋口に感じる身体の不調と関係しているかもしれないのです。

チーズ・ヨーグルトは増 味噌・しょう油は減

なんとなく健康に良さそうなイメージのある「発酵食品」ですが、身体にいいとされているのは発酵食品の多くに「乳酸菌」が存在するから。この乳酸菌には、「動物性」と「植物性」の2つの種類があることは知っていますか? 「動物性乳酸菌」はチーズやヨーグルトに含まれ 「植物性乳酸菌」は味噌やしょう油などに含まれます。

今回、調査対象者に5年前と比べて食べる頻度が増えた「発酵食品」について聞いてみると、1位がパン(57.2%)、2位がヨーグルト(57.1%)、5位チーズ(48.1%)と 動物性乳酸菌を多く含む食品が上位にランクイン。反対に5年前と比べて食べる頻度が減ったと感じているについて聞いてみると、

1位 しょう油(55.9%)
2位 味噌(52.4%)
3位 鰹節(51.3%)
4位 みりん(49.2%)
4位 漬物(49.2%)

と、ほとんどが植物性乳酸菌を含む発酵食品という結果になりました。

この結果について、"腸のスペシャリスト"として数多くのテレビ番組に出演する松生クリニック松生恒夫医師は、日本の食生活が欧米化したことで植物性乳酸菌の摂取量が減り、動物性乳酸菌の摂取量が増えたのだと指摘します。確かに朝食を例にとってもご飯に味噌汁、漬物という組み合わせよりもパンやヨーグルトで済ませるという人が多くなっている気がします。そのうえで、

「植物性乳酸菌は、体内に取り込まれても胃液や腸液に耐えて生きることができます。つまり、長く体内で働き、おなかの調子を整える力があるのです」

と話します。「腸内環境」を健康に保つためには動物性乳酸菌を多く含む発酵食品だけでなく、植物性乳酸菌を含む発酵食品もしっかり摂ることが大切なのですね。

夏の終わりに体調を崩さないための対策は...?

また松生先生は、近年は9〜10月まで夏の暑さが続くことやその後の気温の急激な低下などが原因で「疲れやすい」「ストレスを強く感じる」などの症状が出て体調を崩す人が増えているのは、"秋ナイ症候群"だといいます。これは思い当たる経験がある人も多いのでは? 実は、こうした気候の変化にともなう体調不良には発酵食品の摂取が十分かどうかということが関係しているかもしれません。

というのも、調査で「秋に疲れやすいか」どうか聞いてみると、発酵食品を十分な頻度で摂っている人で「疲れやすい」と答えたのは58.4%なのに対し、不足している人は「71.5%」と10%以上も高くなっていて、「発酵食品」の摂取が不足している人ほど「秋に疲れやすい」という結果になりました。

松生先生によると、こうした秋の体調不良への対策として「腸を冷やさない」ようにするほか、季節の変わり目に備えて今から食生活を見直すことも重要なんだそう。先生がクリニックで患者さんにおすすめしている対策は、漬物や味噌、しょう油などの発酵食品に多く含まれる植物性乳酸菌の摂取です。特にメリットが大きいのは「漬物」。ヨーグルトやチーズなどに含まれる動物性乳酸菌は、同時にコレステロールも多く摂ってしまいがちですが、「漬物」は野菜を食べることができるため、食物繊維が一緒に摂れるという大きな利点があります。

"秋ナイ症候群"に負けない腸の状態を保つには、「ヨーグルトやチーズに加えてもう1品、たとえば漬物や野菜たっぷりの味噌汁を摂ることがポイント」とのこと。日頃からバランスよく「発酵食品」を食べることで秋口も元気に過ごせそうです。