マンションデベロッパーの営業マンにとって、契約をとることがすべてなのですが、契約をとるためにはその前に現地案内が必要であり、

現地案内をするためには、まずお客様を集めることが必要です。

集客というものはそれだけ大変で、大切なものなのです。

集客の手段としてはウェブサイトを整備したり、折り込み広告を入れたり、看板を出したりといった手段が考えられますが、

営業力のある会社は、それ以外にもあの手この手の手段をとります。

今回は私がこれまで実際に見た、もしくは実践してきた集客のための様々な方法についてご紹介したいと思います。

■最も原始的。心の強さが必要!? 「飛び込み営業」

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最も原始的な営業方法で、担当エリアを決めたら1軒1軒インタホンを押してまわる営業です。

99%以上の確率で「結構です」と言って、切られてしまいますが、数多く回っていると少しだけでも話ができる家があります。

そういった家に対してはポストに資料を投函しておくなどして関心を深めてもらい、後日、再度訪問します。

まずは玄関ドアを開けてもらうことが目標で、最終的には現地に来場させることを目指します。

とにかく心の強さが必要な営業手法です。

■後日資料を投函することで確立アップ!?「電話営業」

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私が新築マンションの営業をしていた時代に個人情報保護法が成立したのですが、当時はまだ趣旨が十分徹底されていない時代でした。

そのため、グループ内の管理会社に依頼すれば、比較的簡単に居住者の電話番号を入手することがまだまだできました。

そうやって入手した名簿を活用して1軒1軒電話を掛けていきます。

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こちらの場合もほとんどが「結構です」の一言で切られますが、たまに反応してくれる人がいます。

そういう人にぶつかった時は、とにかく話を長引かせていろいろ聞き出します。

そして「私は帰りにそちら方面を通るので、その時資料を投函しておきます」と言うのです。

資料を実際に投函し、見たであろうタイミングで再度電話を掛けて来場のアポイントにまで持ち込みます。

筆者はこのスタイル一番得意でしたが、ダメな相手と脈ありな相手を的確に区別し、脈ありに全力を投入する判断力が必要です。

ふじよ / PIXTA

個人情報の扱いが厳しくなると名簿の入手が次第に難しくなります。

そのため電話帳を利用したり、まず下4ケタ「0001」にかけ、次に「0002」にかけるようなやり方にシフトしていきました。

■たまたま声を掛けたご夫人が資産家の妻、なんてことも!?「現地前営業」

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モデルルームや現地販売センターの前に立ち、「見るだけでもどうですか」と通行人に声をかけて引っ張り込む営業です。

私もこれをやった経験がありますが、自転車を押したおばちゃんに声をかけて部屋を見せたところ、

実はその方は近所に住む資産家の奥様で、後日ご主人と再来場されたということがありました。

世の中、何が起こるかわからないものです。

その方は最終的に成約には至りませんでしたが、意外とバカならない営業です。

少なくとも販売センターを賑わせるだけの効果はあります。

ガツガツ感を出さずに自然に引っ張り込んでしまうことがコツです。

■他社のモデルルーム前で声を掛ける「エスコート営業」

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よくもまあこんなやり方を思いついたものだと筆者が感心させられた集客方法ですが、他社のモデルルーム前に張り込んで、出てきた人に声をかけるというものです。

モデルルームを見に来るという事はマンション購入を真剣に検討しているということですから、成約に至る確率はかなり高くなります。

相手の会社も張り込みに気付いてマークしてくるようになるため、それをものともしない面の皮の厚さが必要なスタイルです。

■筆者が知る限りもっともエグい!?「家具販売会」

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このやり方を知った時は、声も出ませんでした。

家具販売会とは「これまでモデルルームで使っていた家具を販売する」というもので、

販売センターにかき集められたベッドや机や照明といった家具類にはいつもありえないような価格が設定されていました。

(これが本当にモデルルームで使われていた物かはわかりません!)

来場者は申込用紙に希望の家具を書いて提出し、申し込み多数の場合は後日厳正な抽選を実施して当選者に販売するという触れ込みになっています。

(当然のことながら、全商品申し込み多数になります)

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このイベントを近隣に告知すると毎回大変な数の来場者があるのですが、

せっかく来てくれたお客様に家具の申込書を書かせるだけでそのまま帰すなんてこと、あるはずありません。

「もしよろしければお部屋も見ませんか」とさりげなく誘い、現場案内の達人が案内します。

ここで脈ありと判断されると、今度はエース級の営業が投入されます。

では家具は最終的にどうなったのか? この点についてはこれ以上書けません。

■マンションを売るのは容易ではない

ふじよ / PIXTA

契約を取るためにはとにかくお客様を呼び込まなければなりません。

週末にお客様の来場予定のない営業は無茶苦茶に責められるため、アポイントを取らなければならない金曜日はいつも憂鬱でした。

必死になって電話をかけまくるのですが、アポイントを取れなかった時のあの重苦しい気持ちは今でも忘れられません。

マンションを売る、という事はそれだけ大変なことなのです。