静岡県掛川市にある掛川城は、室町時代中期の文明年間に守護大名・今川義忠が、重臣の朝比奈泰煕に命じて築城されたと言われており、その後、山内一豊が城の大改修を行ったことで有名。

現在の天守は1994年に再建されたもので、日本初の木造復元天守として知られています。

その掛川城の周辺には、掛川城御殿(国重要文化財)、二の丸茶室、二の丸美術館、竹の丸、大日本報徳社など、歴史を感じられる建造物が数多くありますが、今回はその一つである二の丸茶室を紹介します。

二の丸茶室は掛川城公園内にある、木造平屋建て一文字葺の伝統的な数寄屋造りの建物で、景観と調和した趣のある茶室。平成14年3月に建てられ、今年(2017年)で15年になります。

庭園や掛川城御殿を眺めながらゆったりとお茶を楽しむことができると、掛川城見物の観光客はもちろん、地元住民にも人気。

入口にある受付で呈茶サービスを含む入館料(個人は一般510円、中学生以下250円)を支払うと、庭園を望む10畳の広間に案内してもらえます。

大きな窓ガラス越しに美しい姿を見せてくれる緑の庭園。

とても静かで、ゆったりと時間が流れているようです。

ほどなくして、生菓子が運ばれてきました。この日の生菓子は、隣にある二の丸美術館で開催中の特別展示『黄金の茶室と現代美術の粋』にちなんだ、金箔を施した「おりなす」という生菓子。

織物のような色のグラデーションと、中央にあしらわれた金箔が美しいです。

この生菓子は、掛川市中町にある老舗の和菓子店「兎月堂」のもの。優しい甘さの生地となめらかなこしあんがほろ苦い抹茶によく合います。

二の丸茶室では、夏の期間は氷入りの冷たいお抹茶も提供しているとのことで、今回はそれをいただいてみました。

掛川市はお茶処として有名ですが、そのほとんどは煎茶で、抹茶の生産はまだ多くありません。

ここ二の丸茶室では、その貴重な地元掛川産の抹茶を使用してお茶をたてているそうです。

一服の清涼感。生菓子もお抹茶もその土地でとれたものがいただけるのは嬉しいですね。

お天気の良い日は庭園内を散策してみるのもおすすめ。

二の丸茶室には、広間のほかに、躙り口のある四畳半の小間「桔梗庵」もあり、そちらで呈茶をいただくこともできます。事前に予約をすれば、グループでのお茶会にも利用できるとのこと。

掛川城見物の際には、二の丸茶室にも立ち寄って、掛川産抹茶と生菓子を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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名称 二の丸茶室
住所 静岡県掛川市掛川1138番地の24
電話 0537-23-1199
開館時間 2月1日〜10月31日:9時30分から17時(入館は16時30分まで)、11月1日から1月31日まで 9時30分から16時30分まで(入館は16時まで)
休館日 年中無休(催事等で一般営業していない場合もあり)
入館料 個人一般510円、個人中学生以下250円
公式サイト http://kakegawajo.com/guides/tya/