カーラ・スミスさんは子どもの頃に約10年間、自宅のあるニュージャージー州とニューヨークを往復しながら、ニューヨークに拠点を置く有名な<Young People's Chorus>という合唱団で歌を歌ってきた経験を持つ女性。その後バークリー音楽大学に進学し、音楽セラピーの学位を取得すべく5年間のプログラムを学んでいたところ、残すところあと1学期となった頃に、<カーニバル・クルーズライン>という会社から船上シンガーとして働くオファーをもらったのだとか。

自称「放浪者」のスミスさんは、それからカーニバル・クルーズラインの船と、ホーランド・アメリカラインの2船で2年半シンガーを務めることに。そして現在の彼女は、果たせていなかった学位取得を目指して復学中。そんな彼女が、コスモポリタン アメリカ版に、自身の船上シンガーとして過ごした日々のことを語ってくれました。

自分がなぜここにいるのか、自分のすべき最善のことは何なのかに集中することが一番大切です。

「クルーズ船のお仕事でもらったお給料で、最終学期分の学費と今の生活費をまかなっています。そう考えると、船の仕事はお金を貯めるのにもってこいでした。家賃はかからないし、契約には食費も含まれているし。唯一お金を使う場面があるとすれば、港に降りている間の遊びと、船上でのインターネット代ですかね。

カーニバル船では週6日、ホーランド船では週4〜5日働きました。カーニバルではゲストラウンジなどで演奏するショーバンドの女性シンガーとして雇われ、いつも別の男性と一緒に歌っていました。私たちはエネルギッシュでアップテンポの曲を集めた45分のセッションを(途中15分休憩を挟みつつ)一晩で4〜5セットこなしました。ホーランド船ではバンドの中のシンガーの1人として、こちらも同じ長さのセットを一晩で2〜3セットやりました」

「働き始めたばかりの数週間は、喉の疲労感に悩まされました。毎日歌い続けるような仕事をしたのは、カーニバル船が初めてでしたから。とにかく声帯が疲れました。体の他の筋肉と同じように、いきなり毎日酷使すると悲鳴を上げてしまうんですよね。なので、それからは特別気をつけるようにしました。元々酒豪ではありませんでしたが、夜遊びや夜更かしもなるべく控えるようにしました。1日の終わりには、クルー用に安いお酒を出してくれるバーに集まっておしゃべりするのがみんなの楽しみなんです。でも、私は自粛して、喉のケアをしっかりするようにしていたので、声が出なくなってしまうという事態は一度もありませんでした。

また、なるべく普段から健康的なルーティンを維持するようにしていました。朝9時に起きて、朝食を食べて、外のデッキを散歩し、メールの返信などをしてから絵を描いたり読書をしたり、ギターの練習をして、ランチを食べます。それからその日歌う曲のおさらいをして、発声練習をしたりして準備します。全体的にとてもリラックスできる、ゆったりしたペースで1日が過ぎていきます。もちろんすべての部署がこんなにのんびりした生活を送れるわけではありませんが、エンターテイナーは似たようなスケジュールだと思います。ホーランド船では21時から深夜まで歌い、カーニバル船では19時から深夜まで歌いました」

「船の上では時間を有効活用する方法を考えなければなりません。私の場合はよくジムに通っていました。それでなんとか正気を保てていたというか…船の上での生活は陸から隔離されているし、制限されたものになりがちですからね。船によってはクルーのためにちょっとした学習プログラムも用意されていました。私はフランス語のクラスをよく受けていました」

「他にも、クルーのメンバーが自分たちの部屋で床屋やマッサージ屋、仕立て屋を開いたりもしていました。クルーたちはゲスト用の施設を利用することが認められていなかったので、クルー同士でお互いにサービスを提供し合うことによって、海の上にいながらも必要な充足感を味わうことができたんです。

ゲストエリアに行く時は、常に身なりをきちんとしなければならず、スマートカジュアルな服装を命じられていました。ジーンズやビーチサンダル、短パンなどはもちろんNG。いつもナチュラルメイクをして、髪の毛もセットしておくように言われました。誰だって朝起きて、『今日は誰とも話さず、ただただダラダラしていたい』と思う日があると思いますが、私たちにそれは許されていませんでした。いつでも社交的でいなければならないんです。唯一1人になれるのは、自分のキャビンにいる時だけ。それ以外の場所では、会社を代表して、常にどんなお客様にも愛想良く接することを求められます」

「クルーズ船の仕事をしている間、私には彼氏がいました。でも必然的に遠距離恋愛でした。船に乗っている時は、なるべく彼にメールを送るようにして、クルーズ会社との契約が切れた期間に会うようにしていました。彼もミュージシャン(キーボード奏者)なので、2度ほど同じ船に乗って一緒に仕事をしたことがあります。その時はすごく楽しかったです。同業者の中には、カップルで同じ船の同じキャビンに泊まって一緒に仕事をしているのに、途中で別れちゃう人もいるみたいで。でもキャビンは変えられないので複雑ですよね。そんな中、船内の他の人と付き合い始めたりもするらしいですよ!」

「ただ、遊んでばかりのパーティー生活が送れるだろうと期待してクルーズ船の仕事をすることはオススメしません。絶対に身が持たないですし、飽きるかクビになるのが目に見えていますから。また、有給休暇気分で働けると思って契約をするのもやめた方がいいでしょう。確かにそんな気分を感じられる時もありますが、自分がなぜここにいるのか、自分のすべき最善のことは何なのかに集中することが一番大切です」

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「私は2年間で曲を1000曲以上覚えました。各セッションで15〜20曲ほど歌い、それを一晩で5セット、週6日もやりますからね。船での仕事を経験したおかげで、レパートリーも増え、ミュージシャンとしても色々と教養が深まりました。演奏者同士のコミュニケーション力も伸びたと思います。毎日歌っていただけあって、声も今までのキャリアの中で一番良い状態にありますし、自分がどれだけこの仕事が好きなのかも再確認することができました。

音楽セラピーの資格を取って学校を卒業したら、また必ず船での仕事を再開したいと思っています。実は、既に年末の短い契約のオファーが来ていて…もうイエスと返答済みです。今回はシンガポールとベトナムに行くそうです。断れるわけがないですよね!」

※この翻訳は、抄訳です。

Translation: 名和友梨香

COSMOPOLITAN US