政府主導の「休み方改革」は定着するか?

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大手企業中心に休み方改革の乗り出すところも

2017年6月、政府は休み方改革に乗り出すと発表しました。

政府発表の前から、大手企業を中心に既に休み方改革に乗り出しているところも多くあります。セブン&アイホールディングスでは、主要8社で部署ごとに一斉休業を促すよう通知を出しました。部署ごとに閑散期などを考慮して休業日を自由に決められる制度です。引っ越し大手のアートコーポレーションでは、業界としては初めて全社員が休む、いわゆる定休日を年間30日確保するとのことです。これら大手企業については、人手不足から労働条件を改善して、離職率の低下や新卒採用で有利にしたいという思惑が働いています。


政府の提唱している「休み方改革」とは?

政府は、有給休暇取得率48.7%を2020年までに70%へ引き上げたいという目標を掲げています。そのために提唱する「休み方改革」は、子どもの夏休みを1週間程度短くして、その分、各地域ごとの特性を活かし、例えば県民の日の休日などの前後にそれを振り分け、「子どもと向き合う時間を確保」してもらうために、各企業において有給休暇の取得促進を図るというものです。いわゆるキッズウィークの創設です。

そうすることによって、旅行業界などのレジャー産業が年間を通じて利益を出しやすくなったり、お盆やGWなど料金の高い時期以外の比較的安い時期に旅行に行けるなどのメリットもある、ということですが、果たして定着するのでしょうか?


有給休暇の取得を促進するだけでは難しい

企業に対して、あくまで有給休暇の取得促進に依存する制度ですから、経営者の考え方や生産性の向上、各人が抱えている仕事のたこつぼ化(その人しかわからない状態)を防ぐなど、課題を解決しないとなかなか休暇を取りづらいでしょう。

2010年に行われた有給休暇の分散化に対するアンケートでは、労働者側からも有休を取得することで、「企業の活動に支障が生じる」「逆に仕事が休めなくなる」「結局家でゆっくり過ごす」など否定的な意見の方が多かったようです。経営者と労働者で、意見をすりあわせ有休を取得しやすい環境を作っていかなければ、政府のかけ声だけではなかなか制度の定着は難しいでしょう。ある程度、有休取得の仕方などについて政府の方で強制力のあるような制度にしていく必要があるかもしれません。

現にプレミアムフライデー(月末最終金曜日を15時に退社)も、サービス業を中心に期待していた企業もあったようですが、ほとんどその効果は表れていないようです。


【影山 正伸:社会保険労務士】


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