犬の性格には遺伝子がどれくらい影響するのか?大規模なリサーチが行われた!

犬の性格や行動は遺伝によって受け継がれたものなのか?愛犬家なら気になるテーマですよね。
スコットランド、イギリス、アメリカなどの研究者が共同で行った大規模なリサーチをご紹介します。

犬の性格や行動を遺伝学的に研究する意味

犬がどんな性格でどんな行動を取るかという個性は、さまざまな仕事をする時の能力に大きな役割を果たすので、遺伝子が行動に及ぼす影響を把握しておくことはとても大切です。
牧羊犬、介助犬、警察犬、それぞれに求められる性質や行動は全く違いますから、その仕事に最適な犬の遺伝子を伝えていくためにも意味のある研究です。

リサーチはどんな風に行われた?

リサーチのためのデータ収集は犬の飼い主へのアンケートによって行われました。遺伝的な情報を集めるためのものなので、29世代約3万匹の犬の家系を対象にしました。犬は猟犬、ショードッグ、家庭犬です。
アンケートの形式はC-BARQと呼ばれる、犬の行動を評価研究するための定型のものです。
質問内容は、無視された場合の動揺度・注目を集めたがる傾向・吠え傾向・興奮性・人や物への恐怖・大きな音への恐怖・飼い主への攻撃性・飼い主以外の人間への攻撃性・分離不安・訓練の入りやすさ・異常行動などについて程度を示すスケールで答えてもらいます。
さらに、犬の性格や行動には、初期の生活環境やトレーニング方法などの環境的な要因も大きく影響するため、年齢・コートの色・性別・避妊去勢状態・住居・健康状態・運動に関するデータも集められました。
集められた膨大な数のデータを、研究者が血統と遺伝子データの両方に基づいて性格や行動の遺伝性を推定しました。

リサーチの結果はいかに?

さて、集められたデータを分析したらどんな結果が現れたでしょうか?
『モッテコイ』と呼ばれる、投げた棒やボールを持ってくる行動は他の特性に比べて、より高い遺伝性が見られたそうです。
また、大きな音への恐怖も遺伝性が高い要素であることもわかりました。
飼い主への攻撃性には遺伝的な要素は全く見られませんでしたが、飼い主以外の人間への攻撃性は中程度の遺伝性が見られたとのことです。
犬の行動特性の多くは、一つの遺伝子だけで決定されるのではなく、多数の遺伝子の影響を受けており、ひとつひとつの遺伝子の効果は小さいことや、環境的な要因が性格や行動に及ぼす影響も大きいことから、すべての性格や行動について遺伝子との関係を決定することはなかなか難しいそうです。しかし今後の遺伝子研究の技術的な進歩に伴って、性質や行動の遺伝性がどのくらいのものかがより正確にわかるようになる可能性も高いそうです。楽しみですね。

まとめ

犬の性格や行動に遺伝子がどれくらいの影響を与えているのかというリサーチ、集められた膨大なデータから『モッテコイ』の能力や大きな音への恐怖などは遺伝性が高い要素であることがわかりました。
現在の段階ではすべての性格や行動について遺伝子との関係を決定することはまだ難しいそうです。その理由のひとつに、犬の性格や行動は環境に左右される部分も大きいというものがあります。このことは一般の飼い主にとっては嬉しい半面、ピリッと気持ちが引き締まる情報でもあります。今、自分が愛犬に提供している暮らしや環境、接し方によって犬の性格や行動も決定付けられていくということですものね。
攻撃性や極端な恐怖症、分離不安などのない幸せな犬でいてもらうため、飼い主としての努力は怠れません。気合を入れてがんばらなくては!という気持ちにさせられます。

《参考》
http://www.genetics.org/content/206/2/1101.long