米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は7日、中国で販売禁止の象牙に代わりマンモスの牙の輸入が急増していると伝えている。資料写真。

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2017年8月13日、中国メディアの参考消息網によると、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は7日、中国で販売禁止の象牙に代わりマンモスの牙の輸入が急増していると伝えている。

多くの中国の職人たちは、数世紀続く伝統を守り続けていくために、その視線を象牙から、ロシア北部ツンドラ地域の凍土で見つかるマンモスの牙に向けている。

マンモスの牙は、生きた動物の虐殺に由来しないものであるため、倫理的な選択肢として推進されている。だが環境保護主義者たちは、その盛んな貿易が象牙の需要につながると懸念を示している。マンモス産業が象牙の闇市場取引のための合法的な「目隠し」になるというのがそうした人たちの主張だ。

3600年以上前に絶滅したマンモスの牙の合法的な輸入は、象牙の代替品を求めているディーラーや彫刻家の需要を満たすものとして、中国で急増している。

政府の最近の発表によると、ロシアの極東に接する中国の黒竜江省では、今年上半期に27トンを超えるマンモンスの牙が輸入された。昨年同時期はわずか4トン未満だった。香港経由で中国国内に持ち込まれるマンモスの牙は年平均34トンで、2003年の3倍に上っている。

宝飾品やペンダントなどの複雑な彫刻品を製造・販売する5つの工房と2つのギャラリーを経営する「ジンシャーマンモス」のオーナーの1人、武興華(ウー・シンホア)氏は「もっと多くを入手できれば、さらに多くの作品を製造できる」と話している。

未発掘のマンモスの牙がどれくらいあるかは誰も分からない。だが化石のため供給量は限られ、いずれ枯渇する日がくるだろう。今のところ、この遺産を保存するのが最善の方法だと言う人もいる。だが象牙市場の急激な変化は、中国が商業販売を禁止する計画を発表して獲得した称賛を段階的に失わせる懸念を引き起している。

象牙とマンモスの牙は、その見た目や陰影のパターンによって見分けがつく。だが環境保護主義者たちは、象牙取引に役立つ可能性のあるものは何であれ懸念を示している。

ロンドンの野生動物保護団体であるボーンフリー財団の政策担当副社長、マーク・ジョーンズ氏は「合法的なマンモスの牙の取引がある限り、あらゆる種類の象牙がロンダリングされている」と述べている。

中国の象牙に対する需要は、ロシアの密売ネットワークの活動を刺激している。黒竜江省の出入国検査場で今年4月、107本のマンモスの牙が押収された。トラックを改造して作られた隠しスペースに入っているのを税関当局者が発見した。

ロシアでは許可証さえあればツンドラ地域の凍土からベリーやキノコのようにマンモスの牙を集めることができる。だが工業的方法を用いて地下に埋蔵されたものを探すことは認められていない。ある写真家が昨年記録したように、シベリアの一部地域では、違法採集は制限を受けていない。

中国の文化と歴史における象牙の地位は、その貿易を完全に取り締まることを難しくしている。中国人の多くが工芸は保護されるべきだと考えている。「白い金」と称される象牙は、何世紀にもわたり威信の象徴であり、名誉のある贈り物であり、崇拝の対象でもある。これらすべての理由から、中国は象牙に対する規制に長い間抵抗してきた。だが生きた動物の虐殺に対する圧力を受け、中国政府は昨年12月、全ての象牙の加工と取引を2017年末までに段階的に禁止する計画を発表した。

北京にある武氏の工房では、14人の職人のうち3人が、マンモスの牙を加工して人形を製作していた。彫刻家の鄭凱文(ジョン・カイウェン)氏は「ヒスイのような他の素材よりもマンモスの牙を選んだのは、表現の幅が豊かだからだ」と話している。(翻訳・編集/柳川)