■世界陸上で快挙

 13日、ロンドンで行われた世界陸上の男子50キロ競歩で荒井広宙が銀メダル、小林快が銅メダルを獲得するという快挙を果たした。荒井は昨年行われたリオオリンピックで銅メダルを獲得したが、今回はその時より安定感があり、力を見せつけることができた銀メダルだったという印象を受けた。

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 さらに小林も荒井に励まされたことが力になったと語っており、荒井が日本競歩界をけん引していることをうかがわせた。2人は東京オリンピックの選考会で恐らくライバルになりえる存在だろうが、荒井にとって重要だったのは日本の「複数メダル獲得」だったのだろう。選手としても人間的にもとても強いという印象を受けた。

■注目を集めたことは間違いない

 今大会の複数メダル獲得は、多くの人の心に大きく刻まれたことに違いない。1人のスターが活躍するというだけでなく、複数メダルの獲得となると、ある程度その国民に向いている競技ともとらえられるし、「自分でもやれるかもしれない」という意識を芽生えさせることができる可能性もある。私はこの流れはフィギュアスケートに似ているとみている。世界の表彰台という観点から見れば違うが、徐々にトップ選手が現れ今では誰かが表彰台にいるのが当たり前という状況になっている。

■競歩が日本人のお家芸になる可能性も

 さらにもう1人の参加選手である丸尾知司が5位でフィニッシュしたことも大きな収穫である。「日本のトップにいれば世界トップクラスの選手と対等に渡り歩ける」ということを証明した。2020年に行われる東京オリンピックに向けて、メダルへの期待を大きく高めてくれたことだろう。

 競歩は最も過酷な競技と言われるだけあって、もちろんそんなに甘いものではないが、実際小林の競歩歴はそれほど長くない。もともとマラソンを行っており箱根を目指していたランナーだった。逆に競歩選手が箱根駅伝に出場したということも過去にはあった。そういった経緯を踏まえると、マラソンから競歩の相性は悪くないのではないかと思う。今後も長距離ランナーが競歩界に入ってくれば日本競歩界のレベルはさらに上がり、オリンピックでの複数メダルも夢ではないのではないかと思う。