キャリア強化のための大学院は本当に正解? 考えるべき10の質問

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大学院に行くべきか、やめるべきか──。この疑問に直面するのは、社会に出て数年後にキャリア強化を目指す人かもしれないし、仕事を始めて何十年もたって大きな変化を求める人かもしれない。

大学院教育にかかる時間と費用を考えれば、この決断は慎重に下した方が良いだろう。ここでは、キャリアアップの次の段階として大学院進学を決める前に自問すべき10の質問を紹介する。

1. なぜ大学院に行きたいのか

キャリアアップだけが目的であれば、大学院進学がキャリアにもたらす最終的な効果(質問4を参照)を確認すべき。「人生で一度はやってみたかった」という理由であれば、今が本当に適切なタイミングなのか(質問2と5)と、選択すべき教育課程(質問6)を確認しよう。

他に理由があれば、それを明確化し、大学院が目的に合っていること、大学院よりも安価で実行しやすい手段がないか(質問8)を確認した方が良い。

2. 時期は適切か

いつかは必ず大学院に行きたいと思っても、今すぐに行くべきだとは限らない。キャリアが自然な転換点を迎えているのならば、今が適切な時期だとも言える。

例えば、会社があなたの役職を撤廃したタイミングであれば、時間もあるし、会社からの契約解除費を進学に充てることができる。あるいは、キャリアチェンジを目指す中で、対抗する候補者が大学院卒だった場合。または、大学院進学が理に適うと思えるほど十分にキャリアを積んできている場合などだ。

3. 学費をどう支払う(回収する)か

大学院の費用は授業料や教材費などに加え、転居が必要であれば家賃や寮の食費、引越し費用など、膨大な額に膨れ上がる可能性がある。在学中に働けない場合は収入もない。ローンを借りる予定で、卒業後の収入をあてにしているのであれば、自分の業界・職務の推定給与で本当にローンを返済できるかを確認しよう。

4. 本当にキャリアに効果的なのか

進学にかかる全コストと卒業後のキャリアへの効果を基に、費用対効果を分析しよう。フルタイムでの通学により職歴が中断されても、修士号で埋め合わせできるか? 職務履歴が切れないようパートタイムで通学しても、フルタイムと同様の競争力を持つ学歴とみなされるのか?

5. 時間とエネルギーを優先的に割けるか

進学を決断したら全力で取り組みたいはずだ。家族や恋人、仕事の状況(両立する場合)はどうだろう? 共働きの家庭で配偶者がこれから大きな職務に就く予定があれば、今は見送るべきかもしれない。また、大学院の学費支援制度が会社にあっても、現在大規模な事業再編が進んでいる場合は、仕事に軸足を置く方が賢明かもしれない。

6. 教育課程は適切か

どの程度の教育(修士号? あるいは博士号?)が必要で、どの教育課程が自分の目的に合っているのか? コーチング業を営む私の同僚の中には、社会事業・心理学・人事マネジメント・組織開発など、さまざまな課程を選んだ人がいるが、全員がコーチング分野で活躍している。

7. 学位以外に必要な要件はあるか

教育に携わるには修士号だけでは不十分かもしれないし、臨床カウンセラーになるには最低カウンセリング時間の要件を満たす必要がある。特定のキャリアを目指して大学院進学を考えているのであれば、学歴以外の全要件を満たせるようにしよう。

8. 他に選択肢はあるか

大学院に費やす時間・費用・機会費用を考慮すると、その他の選択肢も考える必要がある。資格だけでは不十分だろうか? 進学の代わりに職務経験を積む方が、より競争力が付くのではないか?

知識を得るのが目的なら、大規模公開オンライン講座(MOCC)や自己学習で補う、仲間を得るためであれば、職能団体に参加したり社会奉仕を増やしたりできるかもしれない。

9. 入学は現実的に可能か

大学院進学の意思が固まっていても、入学して第1希望の教育課程に進むことは可能だろうか? 次年度の入学プロセスのスケジュールや、財政支援が必要であれば奨学金の受給資格・応募締め切り時期も考慮しよう。

10. 卒業後の進路はどうするか

大学院での学びや挑戦を通して、あなたは確実に変化を遂げ、新たなアイデアが芽生えるだろう。しかし、卒業後に何をするかイメージしておくことも大切だ。

現在の会社・業界・キャリアに復帰するのか? 大学院進学を機にキャリアを変更する場合は、就活に学位をどう活かすのか?

大学院進学の決断は多面的だ。キャリアだけでなく個人的欲求に基づくものかもしれないし、金銭面以外にも得られるものはある。ほぼ全てのキャリア目標には機会費用や追加要件があり、学校教育が全てではない。

大学院に行くかどうかの決断は慎重に下すべきだ。まずは、ここに挙げた10の質問に答えることから始めよう。