浦和レッズFWラファエル・シルバ

写真拡大

[8.15 スルガ銀行チャンピオンシップ2017 浦和1-0シャペコエンセ 埼玉]

 昨年11月の飛行機墜落事故で2人の友人を失っていた。この試合は2人が見てくれているはず――。そう感じていた浦和レッズFWラファエル・シルバは、自身の持てる力をすべて出そうとピッチ上を最後まで駆け回った。

 対戦相手のシャペコエンセは、昨年11月28日に悲劇の飛行機墜落事故に遭って多くの選手、スタッフを失った。その中にはR・シルバの元チームメイトもおり、7月18日に行われた記者会見時には「(事故で亡くなった)ジウとセルジオ・マノエルはクリチバで一緒にプレーした。思い出深い2人だし、現在のチームにも知り合いがいる」とシャペコエンセが関係の深いクラブだと明かしていた。

 気合いが入っていた。守備に回れば激しく体を寄せて相手からボールを奪い取ろうと何度も試み、いくつかのファウルも取られた。ファウル後には相手選手に詰め寄られる場面もあったが、「そうならざるを得ない状況もサッカーにおいてはあることだし、それぞれが一生懸命戦った結果だと思う」とお互いが勝利を目指し続けたからこそ、球際での激しい攻防が繰り広げられた。

 そして、スコアレスのまま迎えた後半43分、FWズラタンがPA内でDFグローリに倒されて浦和にPKが与えられる。「蹴りたかった」と正直な気持ちを明かしたR・シルバだが、「コーチ陣から阿部選手にボールを回してくれという指示があった」と、キッカーをMF阿部勇樹に託す。すると、阿部がきっちりと決勝点となるゴールを蹴り込み、R・シルバも喜びを爆発させた。「どの選手がゴールを入れたとしても、それは皆で勝ち取ったものです。だから、僕も気持ちを爆発させて阿部選手に飛びついたんだ」。

 特別な思いを持って臨んだ一戦。「2人のことが頭の中をよぎったし、彼らが見てくれているだろうと想像しながらプレーしました」と自身ができる限りのプレーを見せたと話すと、「彼らは天国から、クラブがもう一度再生に向かって頑張っている、努力している姿を見て、きっと喜んでくれていると思う」と続けた。一時はチーム存続も危ぶまれたシャペコエンセは、国内外の多くのクラブのサポートもあり、再建の道を辿っている。

(取材・文 折戸岳彦)